国土交通大臣表彰を受賞した「湘南の森」の会長を務める 仲手川 茂さん 大磯町在住 73歳
身近な森を次世代へ
○…高麗山と湘南平での長年にわたる森林保全活動が評価され、会長を務める市民団体「湘南の森」が、「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰を受賞した。「みんなこの山が好きで、森を次世代に残したいと活動している。里山に入る人が減った今、森を守るためにはこうした活動を継続していくことが必要。賛同者を募り、今後も活動を続けていきたい」
○…真鶴で生まれ、3歳から平塚で育った。大学で機械工学を学び、卒業後は石油精製プラントのタンクや配管の設計に携わった。3年後に独立。主にたばこ製造機械の設計や製造などを請け負い、天竜川の水門の設計や模型を製作したことも。結婚を機に28歳で大磯に居を構えた。仕事一筋で「68歳で会社を畳むまで作業着とパジャマしか持っていなかった」と笑って振り返る。その前年、現在に至る人生の転機があった。
○…高麗山を散策中に見かけた、桜を伐採している団体に興味をもち声をかけたのが「湘南の森」との出会い。当初は森林の知識などまったくなかったが「みんなが熱心に教えてくれるので、毎回活動に参加するのが楽しみだった。小学生に戻ったような気分」とほほ笑む。今では秦野や横浜の森林保全・竹林整備活動にも参加し、昨年には高難易度の森林インストラクター資格も取得。仕事で培った知識も工具類の修理などで役立っているという。「今年はナラ枯れ対策と実生の生育、接ぎ木で増やしたヤマザクラをハイキングコースに植える。コロナで活動が難しい状況が続いたが、感染対策をしながら再開していきたい」
○…学生時代に熱中した登山を再開。会員と高山植物などの花談義を楽しんでいる。「今が人生で一番楽しい時。最高」とにっこり微笑んだ。
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