平塚版 掲載号:2021年11月25日号 エリアトップへ

市美術館30周年記念連載 歴史の証人【2】 官民の声が繋いだ設立への道

文化

掲載号:2021年11月25日号

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当時の美術館建設運動を語る加藤さん
当時の美術館建設運動を語る加藤さん

 設立30周年を迎えた平塚市美術館の歴史を、3回連載で振り返る。第2回は平塚の美術愛好団体・すさ美会の加藤利雄さん(78)に話を聞いた。

 1971年から平塚の美術愛好団体として活動している「すさ美会」。平塚の政治や文化について意見交換する「政経懇話会」の有志が美術館設立に向けて結成した会だ。市民の美術への関心を高めようと美術展も主宰し、館設立への機運を高めた。同会は当時の市長や河野謙三参議院議員らも在籍しており、のちに設立計画の立案に寄与することとなった。

 「設立計画が本格化したきっかけは作品寄贈運動だった」と加藤さんは話す。すさ美会会員で高浜高校の教員だった古川恂さんが平塚美術協会を創り、美術館設立を発案した。当時の市長らから「設立には市民からの大きな声援が必要」との勧めを受け、湘南の美術家たちに市への作品寄贈を呼びかけた。寄贈作品は博物館に保管され、次第に収まらないほどに。77年に寄贈作品展が博物館で開催されたことで、美術館の必要性が強く訴えられるようになった。

「教育」が設立の鍵に

 社会教育に携わっていた加藤さんは、当時の仕事のなかで教育施設として設立された長野県の飯田市美術博物館を知る。会の仲間とともに美術館の役割として社会教育を強調し、市に提案。結果、建設費は教育委員会からも一部出資された。「設立は様々な人たちの思いが繋がって実現した。まちに美術館があることを誇りに思います」

 次回は、館設立運動の中で生まれた「平塚市展」の歴史をたどる。

【お詫びと訂正】11月18日号の同連載で元市長の名前を「誠一郎」と誤表記がありました。正しくは「一太郎」です。訂正してお詫びいたします。

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