活動の魅力伝え担い手の確保を
独居老人宅への巡回や登下校中の子供の見守りなど、多くの役割を担う民生委員・児童委員。継続的で地道な活動により行政サービスの隙間を埋める役割として、昨年に制度開始から100周年を迎えた。担い手の高齢化が進む一方、特色ある取り組みが見られる平塚市内の現状を取材した。
民生委員は自治会を主とする地域の推薦によって選出される。地元在住の30歳以上で健康な人が条件で、厚生労働大臣から委嘱される。無償のボランティアだが、立場は公務員の特別職で、守秘義務が課せられる。
人口・世帯数に応じて定員が決められ、平塚市の定員は406人。4月12日現在、定数を割る397人が市内23地区に分かれて活動している。市福祉総務課によると委員の平均年齢は66歳で男女比は1対2。現役世代の参加が少ないのが現状だ。
将来的に制度を担う世代の参画が求められるなか、岡崎地区には最年少の民生委員がいる。子育てと仕事を両立しながら活動する渡邉尚子さん(42)だ。
渡邉さんは2016年12月から民生委員を務め、今では子育て支援サロンの運営補助などにあたっている。「最初は戸惑いもあった」という渡邉さんだが「子育て真っ最中のお母様方から色々と学べますし、今まで接点のなかった方など人間関係の幅も広がった」と笑顔でやりがいを語る。
そんな民生委員の役割について「行政では町内の隅々まで手が届かない。そこを私たちが担う」と話すのは民生委員・児童委員協議会の小瀬村春雄会長(75)。小瀬村会長が活動する大神・吉際地区では災害時に備え、支援が必要な住民に「大神安心カード」を配布。カードには地元住民2人の名前が避難支援者として書かれ、1対2の手厚い支援体制を整備している。
このように、平塚市では各地の民生委員が特色ある取り組みを実践している。小瀬村会長は「隣近所付き合いが希薄になるなか、民生委員制度はますます必要とされるはず。担い手の確保がこれからの最重要課題」と先を見る。
担い手の確保にむけ小瀬村会長は「地域の役に立ちたい、地域をもっと知りたいという気持ちを皆様に持ってもらうことが重要」と指摘する。市の担当者は「高齢化や人口減少のなか、即座に人材を確保することはできませんが、活動の魅力を根気よく発信するなど対策を急ぎたい」としている。
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