竹遊会の会長でリトアニア共和国に寄贈した花籠を編んだ 永田 勝実さん 豊原在住 78歳
和の伝統 後世へつなぐ
〇…四つ目編みや籠目編み、菊編み、網代編みなど、竹ひごを組み合わせて生まれる幾何学模様は美しく、素朴な味わいをみせる。5月に市民有志がリトアニア共和国を訪問した際、七夕の街らしい土産として同国に寄贈した花籠「流(りゅう)」と「葦」を編んだ。墨色を基調に朱色を差し込み、「日本の文化を体験してもらえれば」と期待する。
〇…長崎県島原市に農家の三男として生まれた。幼少時は兄に連れられ実家裏の竹藪を刈って竹トンボを作って遊んだ。大学進学をきっかけに上京、大手電力会社の技術者として各地に赴任した。社内で出会った妻と結婚。妻の実家がある平塚に新居を構えた。21年前に偶然立ち寄った竹遊会の講習会で作った一輪挿しの花籠をきっかけに、「持ちうる技術を組み合わせて、想像を形にするのがおもしろい」と探究心に火が付いた。2006年には第46回伝統工芸新作展に初入選。今では美術番組を隈なく確認して自身の作品に生かすヒントを探し、各地の展覧会で受賞を重ねている。
〇…会社員時代に新潟県で勧められた能の謡曲を91年から始め、何事も突き詰める性格から「宝生流」の指導免許を取得した。都内で月2回練習に励み、年4〜5回は舞台に出演する。「鎌倉時代から続く美しい日本語を歌い上げるのが魅力」とほほえみ、「あちこちを自由に行き来できるのは、理解のある妻のおかげ」と頭を下げる。
〇…公民館などで小学生や市民向け講習会を催す同会は今年で30周年。七夕まつりの竹を再利用してきた過去もあり、地域との関わりは深い。7月には恒例の竹芸展を市民プラザで催す予定。「平塚市民にとって竹は、七夕祭りで親しまれている。竹文化の普及と技術の継承こそ自分の役目」と意気込んでいる。
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