9月1日に平塚海岸で開かれるサーフィン体験会の講師を務める 関本 海渡さん 虹ケ浜在住 30歳
畏敬の海を渡る
○…虹ケ浜、花水台といった海岸線近くに暮らす地元有志の間で「海活プロジェクト」という取り組みが熱を帯びている。平塚の海をテーマにした地域活性の取り組みで、その第一弾としてサーフィン体験会が企画された。周囲に請われる形で講師を快諾、地元出身のプロサーファーは「育ててくれた平塚のためにお手伝いができるなら」と恩返しの思いで当日に臨む。
○…潮風薫る湘南に生まれた。「海を渡る」と書いて「かいと」と名付けられた少年は、小学6年の時に父と訪れた大磯の海で初めて波に乗った。就学前からサッカーに熱中したが、サーフボードの上で得た「本当に好きなものに出会えた」という実感から、ユニフォームを脱ぎボードを抱えて海へ通うようになった。浜岳中を卒業後は進学せず、プロを志した。
○…アルバイトで貯めた資金を元手に全国のコンテストで武者修行を積み、22歳の時に合格率数パーセントというプロテストに「7度目の正直」で受かった。以来、一年のうち4カ月間をハワイやバリ島で過ごし世界の過酷な波と対峙。大空を力強く優雅に舞う凧のようなライディングスタイルを確立し、プロの世界でも一目置かれる存在となった。今では、アスリートモデルとして企業広告に登場するなど活躍の場を広げ、後進の目標にもなっている。
○…「誰も見つけられていない最大級のビッグウェーブに乗ること」とうれしそうに夢を語るが、「人は自然に勝てません。海への謙虚さを決して忘れてはなりません」と付け加える。海が友達だった少年時代に始まったサーフィン人生は、常にけがと隣り合わせだった。「海は喜びや成長を与えてくれますが、すべては命あってこそ」。まだ見ぬ波を目指し、畏敬の念を胸に海を渡っていく。
|
|
|
<PR>
|
|
|
|
|
|