タウンニュースは2019年の年頭に当たり、落合克宏市長に恒例の新春インタビューを行った。市長は昨年を振り返ると共に平塚市の展望を語った。=聞き手/本紙編集長・沼田繁
――昨年、印象に残ったニュースは何ですか。
「湘南ベルマーレが50周年の節目をルヴァン杯優勝で飾り、J1残留も決めて底力を見せてくれました。また、プロテニスプレーヤーの穂積絵莉さんが全仏オープンで日本人ペア初の準優勝。平塚の選手が活躍し、元気をいただいた1年でした」
――東京五輪を来年に控えます。リトアニア事前キャンプではどんなレガシーを残したいですか。
「総合公園施設の改修をはじめ、Wi─Fiサービスの導入や外国語サインの設置などに取り組み、海外からお迎えする環境を作ります。そして何よりも、子どもたちが海外に目を向け、世界で活躍するきっかけになったらと思います。
同国パラリンピック代表とも昨年、事前キャンプの協定を結びました。平塚は、秋山博先生が盲学校を創設した歴史を持ち、ろう学校や養護学校もあります。障がい者に優しいまちをアピールしていきたい」
――将来的に友好都市の締結もお考えですか。
「20年以降も文化・経済・教育など交流を深化させることが重要で、友好都市なども考え得るでしょう。市民の機運醸成に取り組んでいきたいと思います」
見附台 市民の声 反映する意向津波避難施設 秋に着工
――19年度予算編成の見通しはいかがでしょう。
「景気は回復しているものの、大幅な税収増につながるかは不透明な状況です。10月に消費税率が引き上げられる予定ですが、交付金として市の歳入に反映されるのは20年からになります。
歳出では、4月に統一地方選を控え、義務的経費を中心とした骨格的予算編成になります。政策性の高い予算は、統一地方選が終わってから編成する形になります」
――消費増税を控え市内の景況が気になります。
「民間設備投資が伸びてきているようで、12月補正予算で補助金を追加しました。一方、消費税率の引き上げによる消費の状況などは、国の施策も注視しながら支えていく必要があると思います」
――見附台開発では昨年、整備・管理運営事業の優先交渉権者が選定されました。
「(仮称)新文化センターは22年3月オープンを目指しています。今年は基本設計や見附台公園の都市計画変更手続き、市民センターの解体に着手する見通しです。
集客効果を高め、中心街と相乗効果が出るものにしていきたい。
これまでの過程で、民間活力を活用する手法について、何ができるのか不安だとの声が多かったので、12月に決定した事業者提案について市民の意見を聞く説明会を開きました。事業者と協議しながら、事業に反映できるものは取り入れていきたいと考えています」
――龍城ケ丘プール跡地も同様の声があります。
「(整備運営にあたる)事業者の公募条件について地元自治会などと意見交換をし、要求水準を詰めてから公募します。事業者の提案を選定する前後にも市民の意見を聞く機会を設けたい。
海岸エリア全体を魅力アップするなかで龍城ケ丘に公園を整備しようという考えのもと、パークPFI手法を活用し、大きな建物ありきではなく、自然や景観に配慮した海辺を楽しめる公園づくりを進めます」
――公園の要求水準を決定し、事業者を公募するのはいつの予定ですか。
「関係者との協議が整い次第になります。20年開設を目指していましたが、なかなかそうもいかない。地域の考えを聞きながら取り組みたい」
――ビーチパークは津波避難施設を整備します。
「海水浴シーズンが終わる秋ごろに着工し、19年度中に完成する予定です。いざという時に避難しやすく日常的な利用においても利便性が高い施設を考えていきます」
――ツインシティは20年のまち開きを控えます。
「昨年末には新たな立地企業が選定され、全ての産業用地が埋まりました。複合商業施設や物流施設5社は1〜2年後に開業を予定しています。
ツインシティ大神地区の定住は3300人、雇用は6千人になるとの試算です。まちが形成され始め、東海道新幹線の新駅について、JR東海の反応も実現に向けてより前向きに変わってきたように感じます。
大神と寒川町倉見を結ぶ新橋をはじめ周辺道路網の整備も始まりますし、平塚駅と大神を南北につなぐ公共交通システムとして、連節バスの検討も進めています」
――中学校完全給食の導入を決断されました。
「校舎の耐震補強や普通教室のエアコン整備に目途がつき、中学校給食に取り組む時期にきました。検討委員会から提言のあった共同調理場方式による導入を具体的に考えていきます。
東部・北部の両共同調理場が老朽化しており、中学校への配食機能も含めた調理場を再整備する方法が効率的です。小中学校1万6千食を供給する調理場には9千平方メートル規模の敷地が必要になります。土地の確保を含めた課題を、教育委員会をはじめ関係部局で検討します」
――全国学力・学習状況調査の結果についてどうお考えでしょうか。
「教科に関する調査で全国平均正答率を下回っています。学力向上に向けた取り組みは必要で、教育委員会では、授業力向上のための教員研修や、放課後自主学習教室などを行っています。
総合教育会議の場でも、都市の魅力は教育の充実が判断材料にされると伝えています。数値として出る点数もおろそかにはできませんが、将来を生き抜く力を育てるという教育が大切です」
――民間活力の活用にむけ市内企業の優先発注についてどう考えますか。
「市内事業者へ公共事業を発注し、それが税収に反映される好循環を生みたいと考えます。最小経費で最大成果を得る税金の使い方が基本ですが、入札条件に地域要件を高める仕組みにしていきます。
18年度の公共施設管理清掃業務の一般競争入札で、入札者は市内に本店を置く事業者に限るという条件を、試行的に一部施設について設けました。これを広げていきたい」
――平成から新時代を迎え平塚はどのような都市を目指すべきでしょう。
「18年度市民意識調査で、平塚市に住み続けたいという回答が86%でした。ハード整備や子育て支援、高齢者支援などへの満足度や、住みやすいとの実感が選ばれるまちにつながると考えます」
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