二宮町民生委員児童委員協議会会長 内山 輝夫さん 二宮町在住 72歳
人情と正義の地域の相談役
○…新任者22人を迎えて昨年12月に改選された、二宮町内に47人いる民生委員児童委員のリーダー。「福祉的な支援を求める人へ日常生活の相談に応じ、行政機関と連絡や調整を図って必要な援助を行うのが民生委員児童委員。地域と行政をつなぐ身近な相談役です」と自己紹介する。民生委員児童委員協議会ではこのほど、子育て世帯や高齢者に役立つ情報を載せた応援マップを作成した。
○…民生委員児童委員は厚生労働大臣の委嘱を受けた非常勤特別職の公務員。給与はない。同時に二宮町から福祉連絡委員を委嘱される。活動は多岐に渡り、月2回の独居高齢者の家庭訪問では安否を確認し、振り込め詐欺への注意を呼びかけ、悪質商法に遭っていないか気を配る。昨年全国で所在不明の高齢者が問題になったが、幸い二宮はゼロ。「猛暑のなか、敬老会の招待状と記念品を民生委員が手渡しで配った。皆さんの日頃の地道な働きがあるからこそ」と話す。
○…定年退職後、推薦を受けて民生委員に。検察庁に勤めた経歴と世相や人情の機微に通じた器量の深さを期待されたはずだ。無縁社会や孤独死の不安が広がり、介護を一人で抱え込んだ身内による悲しい事件が起きるなか、「『私は大丈夫』と言われた時、家庭にどこまで入ってどう対応するべきか」。4期12年務めてきたベテランも自問自答しつつ、「委員自身も一人でやろうとせず、先輩や執行部と相談して課題は解決できる」と力を込める。
○…二宮町出身。本の虫で「高校時代は小説を書き、『文學界』『群像』や『婦人公論』まで読んだ」と振り返る。座右の銘は親鸞聖人の「明日有りと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」。一途で几帳面な性格を思わせるが、「アバウトですよ」と笑って打ち消すと、冷めたお茶を入れ直しに自ら席を立つ配慮の人。月の半分から20日位は自転車を漕いで町内を駆け回る。焼酎で晩酌を楽しむ。
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3月29日