旧吉田邸再建へ青写真 町の中間報告に380人が参加
平成21年3月22日の火災で全焼した大磯町の旧吉田茂邸の再建について大磯町は2月19日大磯小学校、20日国府小学校で町民説明会を開催した。説明会では、現在の検討状況と再建の姿など中間取りまとめが示された。
旧吉田茂邸は火災によって、木造2階建てヒノキ造りの数寄屋風建物や、生前使用されていた愛用品や数々の貴重な写真などが焼失した。その後、大磯町は歴史的価値の高い旧吉田茂邸の再建に向け旧吉田茂邸再建基金条例を制定、目標額を5億円とし平成21年7月1日から募金を開始した(2月15日時点で957件・4千782万6249円の寄付金。町の積立金・利息を合わせると約5千7百万円)。また、再建に向け町民主体の検討委員会が発足し検討が行われている。
大磯小学校、国府小学校でおこなわれた説明会会場には約380名の町民らが集まった。中崎久雄大磯町長は「旧吉田茂邸再建に向けて今こそ大磯町がひとつにならなくてはいけない。再建に向けての考え等を公開することで、町民に理解を求めるとともに、さらに一歩前へ進めるために力を貸して欲しい」と会場に集まった人たちに訴えた。
再建のコンセプトとして、吉田茂の生活空間と交流空間を体感できる機能と近現代史を学べる機能が備わった博物館的な施設を目指すことが示された。建物の再建は完全復元ではなく、新館(金の間、銀の間)、食堂、玄関ホール、応接間棟などとし、焼失前の形態・仕様の復元を検討しているとの中間とりまとめを明らかにした。
出席した町民からは「再建に関して町民の間ではあまり盛り上がっていないと感じる。大磯町が吉田茂氏の生誕の地ではないことに要因があるのではないだろうか」、「今の大磯町にとって再建の優先度はそんなに高くはないと思う」といった厳しい意見や「再建のために町議も何かしらの形で汗を流す必要があるのでは」といった意見が出た。
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