消防長に聞く 6月1日から義務化された住宅用火災警報器設置に関してや、町の防災体制について話を聞いた。
防災のスペシャリスト
5月に大磯町消防がおこなった住宅用火災警報器の設置状況に関する調査で約半数弱の設置率だった。「警報器設置に関する意義は、町民の皆さんほとんどが理解しています。しかし、設置に関して費用負担は町民。分かっていても後回しになってしまうのでは。今後も引き続き広報やチラシ等、回覧板などで周知を図っていきます」と話す。実際に町内で住宅用火災警報器を設置したおかげで被害は軽微で済み命が助かった例も。「命と財産を守るためのものですから」と話す。
平成20年4月に大磯町消防本部消防長に就任。今年で3年目。「大磯町は入り組んだところや道が狭いところなど地形が複雑な場所多くあります。地形に応じて迅速に対応できるよう常に訓練と準備はしています」と話す。3月に発生した大震災で被災地に消防隊員も派遣された。「被災地の状況は散々たるもの。隊員はよくやってくれた」と話す。震災発生以降、大磯町の防災体制や同級の災害が発生した場合の対応方法などを話し合う会議が多く持たれた。私たちがやることは「まずは町民の安全を守ること」ときっぱり。
大磯町消防長
二宮 栄治さん 57歳
職務に全力投球
3月に2度、東日本大震災の被災地仙台市宮城野区へ緊急援助隊員計13名を派遣した。「被害の酷さは言葉にできない程だったという。隊員報告を職場教育や議会に活かしたい」と語る。津波対策の修正や避難誘導にあたる職員の安全確保も喫緊の課題。正確な情報収集と伝達、一刻も早い避難が不可欠だと訴える。
災害報道に触れ、被災者へ思いを寄せると「年のせいか、涙が出てしまう」。消防行政のトップは責任の重さと情の深さを併せ持つ。4月に署長から消防長へ昇格。就任挨拶では派遣隊員と彼らの留守を補った職員たちへ礼を述べた。
6月から全住宅への設置が義務付けられた火災警報器。二宮町の設置数は半分にも満たないという。「焼き魚の煙を警報器が感知して出動したケースがあるが、火災でなければそれでよし。我々も訓練になる」と早急の設置を呼びかける。
小田原市出身。還暦を迎え、「ここまで来れたのも職場の仲間や家族の支えがあったから」。自分に厳しく、人に優しくが信条。趣味でアマチュア無線技士の資格を持ち、交信仲間は国内外に数百人いる。
二宮町消防長
加藤 義則さん 60歳
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