「命尊ぶ社会を築いて」 石岡さんが中井町で講演
中井町の農村環境改善センターで18日、人権教育・啓発講演会が開かれた。同町と町教育委員会が主催した。NPO法人ホロコースト教育資料センター代表の石岡史子さんが「ハンナのかばん〜悲しみを希望にかえて」と題して講演。小学生から大人まで約120人が集まった。
石岡さんは、第二次世界大戦中のユダヤ人虐殺で犠牲になった少女ハンナ・ブレイディの生涯と、ヒトラー率いるナチス・ドイツの占領下でホロコーストが起きた社会背景について説明。ハンナの遺品であるかばんと出会い、その頃日本でオウム真理教事件や神戸連続児童殺傷事件があったことから、「ユダヤ人迫害・虐殺の歴史を題材に、日本の子どもたちと命の大切さを学んでいくことを私のチャレンジにした」「(ホロコーストが)どんなに悲惨だったかでなく、なぜそんな事が起きたのか、なぜ止められなかったのかを考えてほしい」と語った。
講演会では、アウシュビッツ収容所から生きのびてカナダで暮らしているハンナの兄ジョージさんのメッセージビデオを紹介。「宗教の違いでユダヤ人を差別したのはどうして」という小学6年生の質問もあった。石岡さんは「差別や偏見を生み出す人の心の弱さを知り、他者を受け入れる寛容さを育ててほしい」と呼びかけた。また、ハンナのかばんが英国での展示中に放火で焼失し、複製品が作られた秘話を述べた。
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3月29日