大磯小PTA 親子で災害時の備えを 学区独自の防災ハンドブック作成
大地震や津波が発生した時にどのように行動し、家族と連絡が取れなければどこで待ち合わせをするか―。災害時の対応について日頃から親子で話し合っておこうと、大磯小学校PTA(古屋幸三会長)は児童と保護者へ向けた防災ハンドブックを作成した。
「連絡網も携帯電話も使えない。自己判断や口コミで子どもを迎えに行った保護者が多かった。緊急時の対応、地域に即した情報の入手・伝達方法を確認しておく必要があると感じた」。PTA会長の古屋さんは東日本大震災が発生した昨年3月11日を振り返り、防災ハンドブックを作ったきっかけをそう話す。
PTA本部では昨年7月、震災当日の状況やその後の防災意識などを把握するために保護者へアンケートを実施。回答に関連するコメントも集めた。集計結果によると、地震発生後に保護者自ら子どもを学校へ引き取りに行った割合は多く、職場や外出先で帰宅困難になったため迎えに行けなかったケースや保護者の代わりに祖父母らが引き取った家庭は2割弱だった。地震の情報は9割の人がテレビで得ていたが、大磯町の情報は伝わってこない不便さがあったという意見が寄せられた。また、7割が非常用の水や食料を用意している一方、家族の安否確認方法を決めているのは3割未満だった。
そこで、防災ハンドブックには通信手段が使えない場合の連絡方法や地域の情報入手に役立つメール配信サービス・防災行政無線の放送内容を聞ける無料電話、保護者が引き取るまで児童は学校で待機するといった非常時の対応などをまとめた。家族との待ち合わせ場所、保護者不在時に子を迎えに行く代理人、習い事や遊び先で災害に遭ったらどう避難するかの部分は、家族で記入する欄を設けた。持ち出し品リストと学区内の地図も掲載。避難場所へのルートに色を塗ったり、避難所や高台まで実際に歩いて確認したりするよう呼びかけている。ハンドブックは黄色いA3用紙の三つ折り。冷蔵庫に貼る、玄関に置くなどして、いざという時に持ち出してもらう。
東日本大震災からまもなく1年。同PTAはハンドブックを各家庭での災害対策に活用してもらうため、講習会を3月6日(火)に大磯小学校で開く。内容は学校の防災活動と南関東大地震への備えについて。防災ディスカッションも行う。副会長の宮代とよ子さんは「このハンドブックをもとに家族で話し合い、子ども自身が災害時に自分を助けられる知識と力をつけていってほしい」と話していた。
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