二宮町の東大跡地 暫定利用に農園・公園 検討会で町民提案の報告
二宮町が売買契約を結んだ東京大学果樹園跡地の活用方法などを話し合う検討委員会は第1回目の会合を9日、町民センターで開催した。町民から募集した意見の報告が行われ、暫定利用に果樹園やオリーブ園、パークゴルフ場、自然公園などの提案があった。
委員会は都市計画を研究する大学院生など公募による一般町民と有識者、跡地の地元である中里地区代表者、県と町の職員ら13人で構成。会長には宮戸健次副町長、副会長に有識者の村山邦夫氏が就いた。委員への挨拶で坂本孝也町長は「活性化の源になるよう、町の拠点としてどう活用するか自由な発想で意見をまとめてほしい」と要望した。
跡地利活用について委員たちからは「活動団体の育成を図りながら、利用方法を考えていきたい」「町外から人を呼び、町の収入源になる施設を。民間の資金やノウハウを注ぎ込むPFI方式を導入する手法もある」などと意見が出た。
また、町が6月11日から9月30日まで募集した町民意見の報告が行われた。提案は35件。暫定的な利用方法に果樹園やオリーブ園、公園、パークゴルフ場、集会施設などの案があった。将来構想には風致公園や体験農場のほか、太陽光発電施設、公共温泉、 キャンプ場、開業医を集めた「ドクタービレッジ」など。役場や町民会館などの公共施設を集約した総合庁舎建設の提案も寄せられた。
委員会は今年度中に計4回開き、暫定的また将来的な利用構想をまとめて町長へ意見書を提出する。
年内目途に土地引渡しへ
同町中里にある市街化調整区域の東大跡地は、小田原厚木道路と東海道新幹線の間に位置する3万7625平方メートルの土地。東大農学部が教育・研究用の果樹園として1926年に設置し、2008年閉園した。閉園に際して東大から町へ土地を売却したいという打診があったが、町は財政上の理由から買い取りを見送った。
ところが昨年、東大が価格を下げて再び打診。町の中心部にある広大な土地は将来にわたる有効利用ができると町は判断し、4億5千万円で跡地を取得することが今年の3月定例会で決まった。
土壌調査で鉛と水銀が一部で検出されたため、今月下旬から東大が除去作業を行う予定。土地は、土壌の入れ替えを経て県による確認が済んだ後、町へ引き渡される運びだ。
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