大磯小 図書室一新に保護者が奮闘 ゆったり空間で児童の利用増加
大磯小学校の図書室が、以前の雑然としていた雰囲気からゆったりとした空間へと生まれ変わった。保護者の協力によりひじ掛付きの椅子やカーペットが加わった室内では、児童が思い思いの格好で読書に没頭している。
体育館利用不可で室内充実へ
「リニューアルされたことで、走り回って騒ぐ児童が減り、静かに利用するようになった」
図書整理員として同校に勤務する田中千枝子さんは、室内のリフォームによる児童たちの変化を感じている。
同校が図書室の改造プロジェクトを始動したのは半年前。体育館が工事により、昨春から今年の夏にかけて使えなくなったため、学校全体で図書室の充実を掲げた。夏休み中、教員たちが校舎2階に隣合わせで位置する図書室とパソコン室の間の壁を一部撤去。さらに、パソコン室内の配置転換によって後方にスペースを確保した。空いた場所には、これまで手狭だった図書室から本棚の一部を移動させ、読書ができる空間を拡張。図書に関するスペースが広がったことを受け、大活躍したのが約45人の保護者で構成する「図書お手伝い隊」だった。
リフォームの中心は保護者
お手伝い隊は、本の貸し出しなど図書室運営をサポートするボランティア。「本好きの子ども以外も利用したくなるような場所にしたかった」とリーダーの近藤普子(ゆきこ)さんは話す。昨年9月に打合せを重ね、10月から数回に渡って作業を行った。
メンバーの高田聖子さんは、インテリアデザイナーの夫を通じ、展示品として不用になった家具などを調達した。テーブルや椅子が持ち込まれたことで座席数が増加。カーペットの提供により、児童たちが1冊の本を囲んで議論する姿が目立つようになった。また、図書室の壁面に沿って並んでいた本棚の一部がパソコン室へ移り、壁にはお手伝い隊が装飾を施し、手作りの本の展示台まで設置した。図書委員長の6年・平野うららさんは「きれいでゆったりした場となり、利用者が増えた」と喜ぶ。今後はカーテンの取り替えなども行う予定だ。
学習環境を整備「考える力」向上
リフォームは学習にも好影響を及ぼしている。以前は、パソコン室から図書室へ行くのに一度外へ出ていたが、今では室内移動が可能に。調べ学習の授業「総合」では、「パソコンと本を使って調べると多くの情報が得られ、新たな疑問も沸いてくる」と6年の別所拓真くん。学校・保護者が一体となり進めた図書室の充実が、子どもの「考える力」を後押ししている。
|
|
|
|
|
|