プロのキックボクサーとして活躍する 鈴木 雅博さん 二宮町在住 25歳
地道な努力で再び王座へ
○…遡ること4年前、日本の頂点に君臨していた。21歳でテコンドーの全日本大会優勝。そして今度は、キックボクサーとしててっぺん目指し邁進中だ。
○…1月26日、プロ5戦目を後楽園ホールで迎える。K1ルールを採用した立ち技格闘技「Krush(クラッシュ)」。今回の一戦はタイトルのかかるものではないが、昨年7月の試合で負傷してから半年ぶりとなる復帰戦だ。「怪我の功名ともいうか、長期離脱でしっかり体幹を鍛えることができた。勝って弾みをつけたい」。今後の目標のKrush58kg級王者に向け、表情は自信に満ちている。
○…テレビで見たK1に心惹かれ、アンディ・フグの『かかと落とし』に魅了された。二宮西中学ではソフトテニス部だったが、休み時間は専ら友人と格闘技ごっご。高校1年のとき、後にK1でも活躍する尾崎圭司選手が主宰するテコンドーの道場入り。「練習の虫」と口にする地道な努力で、神奈川大学3年時に全日本を制した。「優勝よりも強い相手と戦えたのがうれしかった」。決勝の相手は大学の2つ先輩で、かつては「全く歯が立たなかった」という憧れの存在。この時感じた「強敵としのぎを削る楽しさ」こそが、危険が伴う格闘技を続けるエンジンなのだという。卒業後は尾崎選手のチームに所属し、キックボクサーへ転身。2011年にプロとなった。
○…リング上では強く、精悍な男も、素はのんびり屋。友人と温泉を巡り、海外ドラマや映画観賞に明け暮れ、甘いものには目がない。この1ヶ月間は減量を続け、スパーリングやロードワークなど厳しい鍛錬の日々。試合後に食べたいものは「ケーキ」とはにかむ。
○…試合当日は約40人が応援に来場予定。就職せず、格闘家の道を選んだ息子に対し「猛反対はしなかった」という父親や、地元の友人など。「みんなの声援が力になる」と感謝を胸に、得意の後ろ回し蹴りで勝利を手繰り寄せる。
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