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大磯 災害の記憶 郷土資料館で明日から企画展

社会

公開:2013年3月8日

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関東大震災で倒壊した大磯駅(郷土資料館所蔵・提供)
関東大震災で倒壊した大磯駅(郷土資料館所蔵・提供)

 東日本大震災から2年。神奈川県も過去には大規模な災害に見舞われ、多くの人が犠牲となった。自然災害の恐ろしさを風化させないために、大磯町の郷土資料館では3月9日(土)から5月12日(日)まで、企画展「大磯の災害―かつてこの地で起きたこと―」を開催する。

 企画展では、江戸時代から戦前にかけて大磯町を襲った自然災害の爪痕を約100点のパネルで紹介。地震、台風(風水害)、富士山噴火の3つを大きなテーマにしている。

 1703年(元禄16年)11月23日に発生した元禄地震では、大磯町内にも大きな被害をもたらした。建物は過半数が倒壊。周辺の街道では割れた地面から泥水が湧き出し、高波で漁船も損壊。磯へ約200mも打ちあがったものもあったという。

 さらに、1923年(大正12年)9月1日の関東大震災ではM7・9の強烈な揺れが関東を襲い、当時の国府村では建物の全半壊率が80%を超えた。海岸は2mほど隆起し、異常な引き潮も発生。町内での火災は発生しなかったが、汽車が転覆。大磯駅をはじめ郵便局、大磯小学校など多数の公共施設が倒壊した。

 高潮で大きな被害を記録したのは1917年(大正6年)。9月30日から10月1日にかけて神奈川県を通過した台風と大潮の満潮が重なり、大磯沿岸に到達した波は約15mの高さと伝えられている。護岸堤防は約360mにわたって決壊し、38戸が全壊、床上浸水55戸、床下浸水98戸、死者も2人あったという。

 富士山の噴火は1707年(宝永4年)11月23日。大量の火山灰が偏西風に乗り東京都まで届いた。記録では、大磯町で大砂利、中砂利が約6〜10cm、小砂利は約9〜12cm積もった。発掘調査でも黒々とした火山灰の地層が発見されている。

 企画展では、これら自然災害の被害を写した写真パネルや発掘調査での資料などを展示。同館所蔵のもの以外に、他の博物館や町民からの協力で公開されるものも多数ある。時間は午前9時から午後5時までで入場無料。休館は毎週月曜日と毎月1日(館内整理日)。

関連企画も開催

 企画展の期間中、より詳しく大磯町で起きた災害を知る関連企画も行われる。

 同館回廊では、神奈川歴史資料保全ネットワークとの共同企画でパネル展示を実施。災害時、地域にとり残されている貴重な歴史的資料などを保護するための活動を紹介する。

 また3月20日(水)には、立命館大学歴史都市防災研究センター教授の北原糸子氏と平塚市博物館学芸員の森慎一氏を講師に招き、講演会「大磯の地震被害と地盤を知る」を開催する。時間は午後1時から4時で入場無料。定員60人(定員を超えた場合は立ち見)。

 さらに3月24日(日)、4月28日(日)、5月5日(日)の各日は午後2時から担当学芸員による展示解説もある。

 企画展と関連企画の詳細は同館【電話】0463・61・4700へ。
 

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