大磯町の高来神社(大磯町高麗2の9の47)春の例大祭が4月19日(金)から21日(日)に行われる。神輿を担ぎ、高麗山の男坂を一気に駆け上がる勇壮な山神輿は大磯町指定の民俗資料(無形文化財)に指定されている。
最大45度という急斜面を登る「山上渡御」は、今から360年以上前の江戸時代に始まったといわれている神事。昔、旧暦の3月18日に農具や種物を商う市が開かれており、多くの人が集まる騒がしさを避けるために、神社の神霊を山頂の社に仮宿させるようになったことに由来する。
神霊を乗せた神輿は19日の午後6時頃に境内を出発。ケヤキ造りの頑丈な神輿は担ぎ手たちによって持ち上げられ、正面の大綱と左右の横綱を引き手たちが巧みに操り、引っ張りあげるようにして一直線に山頂を目指す。
上宮に3日間安置された神輿は21日の午前11時30分から還御。緩やかな女坂を下って神社に戻り、境内では昇殿神事が行われ、午後2時から巫女による「浦安の舞」が奉納される。
なお、20日と21日には午前9時から午後9時頃まで高来神社周辺で植木市が開催され、恒例の市として賑わう。
昨年はあいにくの雨天で通常よりも小型の神輿で女坂を登った。山神輿を今に伝える高麗山神輿保存会の原田勝司会長は「後世に山神輿の技を伝えるためにも今年は男坂をやりたい。やっぱり体でやってみないと、きちんと伝わらない」と祭りを前に意気込みを話す。
後世に伝える新たな担ぎ手を
夜に山を登る高麗の山神輿は、珍しい行事としてテレビや新聞などでも多数取り上げられ、町の民俗資料にも指定されているが、近年は神輿の担ぎ手や綱の引き手の確保が課題だ。
足場の悪いなか、およそ200kgの重さの神輿を3時間かけて山頂に引き上げるため、山神輿だけで50人、休息用の食事を手配するサポート役もあわせると約70人が必要となる。自治会や長寿会、婦人会、子ども会など地域総出であたるが、少子化や核家族化が進むなか、担ぎ手や引き手を務める若い参加者が減りつつある。原田会長は「他の地域の方でももちろん大歓迎です。法被や軍手は用意していますから、極端に言えば当日の飛び入りだって良い」と話す。山神輿について、詳しくは原田さん【電話】0463・61・1946へ。
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