大磯町では、駐輪場用地として購入した大磯駅前の広さ約5000平方メートルの旧別荘地の有効活用法を探るため、申込制で町民に土地を公開している。4月23日には「大磯の景観を愛する有志の会」が見学会を開催した。
大磯駅ロータリーの東側に広がる旧別荘地は、およそ3000平方メートルの平地となだらかな斜面で構成されている。久しく人の手が入っていない土地には竹林や庭園のあとが残り、木々が豊かに生い茂る木漏れ日の下は駅前であることを忘れそうな静寂が広がる。
この土地ではマンション建設が計画されていたが、計画期間の長期化で中断。2012年11月に大磯町土地開発公社が4億6500万円で購入した。
当初から土地は駐輪場用地として検討されていた。
大磯駅前には現在、東側と西側に駐輪場があり、2つの施設を合わせた収容台数は1505台(原付含む)。町によると、月極契約の空き待ちが1カ月程度発生することがあるが、おおむね必要な台数分は確保できているという。
だが、西側駐輪場は民間との賃貸契約が2014年4月で満期を迎える。さらに東側駐輪場は完成から32年が経過し、大幅な改修が必要になっていた。そのため、東西駐輪場の一体化が計画された。
活用法めぐり様々な意見
現在の2つの駐輪場の土地面積は合計で1330平方メートル、延べ床面積は2380平方メートルと、同規模の駐輪場を建設しても新たな土地には余裕がある。そこで町では土地の活用法について検討。
町民からは「公園など緑をいかす形にしてほしい」「駅前保育施設を作ってみては」など多様な意見が挙がっており、駐輪場についても「地下方式や他の土地への分散などで駅前の施設は最小限にして、自然を残してほしい」という声は多い。そこで町では、町民が直接土地を見ることで活用法について意見を出せるように、公開を決定した。
同会の見学会が行われた23日は、約15人の参加者が集まった。初めて立ち入る参加者も多く、「駅前にこれほどの自然が残っているとは」「ハイキングなどで大磯に来た人がリラックスできる休憩施設なども良いのでは」など、活発に意見が交わされた。
同会では5月10日(金)と21日(火)にも見学会を予定。時間は午前10時から11時30分で参加費無料。同会の佐藤勝栄氏は「できるだけ多くの方にこの土地の素晴らしい自然を見ていただきたい」と話す。町では今後、町民の意見を反映させるため、委員会の設置などヒアリングの場を5月下旬以降に設ける予定だという。
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