1日も休まず1万5千回 二宮ラジオ体操の会
個人宅の庭で活動41年
軽快なピアノのメロディーにのせて今日も元気にイチ、ニッ、サン、シ。二宮町山西の杉崎惣一さん(86)が自宅の庭を開放して毎日行っている「二宮ラジオ体操の会」の体操が、4月24日で1万5千回に達した。
同会は1972年4月1日から活動をスタート。「健康のために体を動かそう」と杉崎さんが同級生(故人)と2人で会を結成した。近所の人たちが仲間に加わり、雨の日や雪の日も1日も休まず続けること41年。現在、60代から80代を中心に会員約40人がラジオ体操をしている。1万5千回の記念大会には小学生や幼稚園児、飛び入り参加の人などを含めておよそ60人が集合した。
雨天でも活動が中止にならないのは、屋根付き体操場があるから。杉崎さんは自宅を改築した際、約200㎡の車庫を設置。そこで体操ができるようにした。毎朝6時30分になると、タイマーをセットした屋外スピーカーからラジオ体操が流れる仕組み。杉崎さんが泊りがけの旅行で不在の時でも会員たちが庭に集う。体操の後は茶を飲みながらおしゃべりを楽しむ。隣近所同士が交流を図る機会にもなっている。
「ここに引っ越した翌朝、外からラジオ体操が聞こえてきた。向かいの家にたくさん人がいて、何だろうと驚いた」。そう話す坂井のぞみさんは親子で参加。娘の美緒ちゃん(5)はカードにスタンプがたまるのを励みに、友だちと熱心に体操する。竹嶋武雄さん(88)は「休むと調子が狂う。体が続く限り続けたい」と背筋を張った。
夏休みには地元子ども会のラジオ体操が同会に合流する。小学生の頃にこのラジオ体操に参加し、二宮町を離れた人が親になって帰省した際、子どもと一緒に再び参加したこともあるという。記念大会などの参加者は100人以上になることも。杉崎さんは記念品や子どもたちへの「ご褒美」の菓子などをポケットマネーで配る。「たばこと酒にお金を使わず、ラジオ体操のおかげで元気にしていられるのだから、ありがたい」と話す。
41年の間には数人しか来ない日や、継続ができなくなりそうな時もあった。昭和天皇崩御と阪神淡路大震災発生だ。ラジオ体操の放送が休止になった。それでも同会はいつもどおりに集まり、掛け声を出して体操した。
杉崎さんは「ひとりで生きられないのと同じく、ラジオ体操も私だけではここまで続かなかった。仲間がいて、助けてくれるから。今が最高の人生」と感謝と充実感を口にする。
次なる目標は2016年1月19日の1万6千回達成だ。
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