二宮町の二見さん 太陽光発電所を開設 循環社会のモデル目指す
二宮町山西の二見美穂子さん(85)が自宅に隣接する先祖代々の土地に「湘南二宮おひさまソーラー発電所」を開設した。7月13日に二見さんと地域住民、工事関係者らが出席して竣工式があり、稼働が始まった。年間発電量は約10万キロワット時を見込む。
太陽光発電所が完成したのは、川勾神社の南側に広がる約2500平方メートルの土地。1000年以上続く同神社の宮司を代々務めてきた二見家が所有する。かつては農地として利用していたが、現在は初詣などの際に神社の臨時駐車場に使い、普段は遊休地になっていた。「先祖から引き継いだ土地を守り、有効に活用する方法はないだろうか」。二見さんの娘麗子さんの夫で大磯町議会議員を務める吉川重雄さんが活用法を一任されて検討した末、太陽光発電所を造ることを選択した。
きっかけは2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響による福島第一原子力発電所事故だった。「原発に頼らないエネルギー政策の転換を求めることは多くの国民の願い。未来の子どもと孫たちのために、これ以上環境を悪化させてはならない」と吉川さん。
ソーラーパネル420枚を並べた同発電所の年間発電量は約10万キロワット時。一般家庭約27世帯が使用する電力量に相当する。年間約31tの二酸化炭素削減につながるという。開設費用約3250万円はすべて借入金で賄った。1キロワット時につき42円で東京電力へ売電し、収入を返済に充てる。
吉川さんは「自然と共存したエネルギーの地産地消、循環社会の構築、安心・安全な町づくりのモデルケースになる。環境教育の教材としても役立てたい」と話す。二見さんも「良い方法で土地を残すことができた」と安心した顔を見せた。
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