大磯に縁のある365人を撮影し日めくりカレンダーを制作している 上村 陽子さん 大磯町東小磯在住 42歳
笑顔のアートは完成間近
○…「まさに町民参加型のアートだと思うんです」と瞳を輝かせる。住んでいる人や在勤の人など、とにかく大磯に縁のある人全てが撮影対象だ。一日に1枚ずつ顔写真を紹介する日めくりカレンダーの製作を思い立ったのは今年の8月。だが、来年のカレンダーとして作るには9月中に印刷へまわさなくてはならない。最初は「無理だろう」と周囲から笑われたが、ママ友や理解ある協力者たちの力を借りて現在約300枚の写真が集まっている。納期に間に合う目途が立ち、12月には完成できそうだ。「プレッシャーもあるけれど同時に楽しみ。協力してくれた皆さんには本当に感謝です」と目を細める。
○…人々が何気なく暮らす普通の生活。それは、風土や文化、歴史的建造物などと同じくらい大切な大磯の財産。意識しなければ見過ごしてしまうその尊い宝物を形にしたい。カレンダーづくりはこうしてスタートした。「一人ひとり紹介するトランプも考えたんですが、やるならもっとたくさんの人を巻き込みたいと思って」と満面の笑み。
○…旧知の写真家に撮影協力を仰ぎ、デザイナーも紹介してもらった。近所のママ友からママ友へ、活動に共感した人々の協力の輪は、水面の波紋のように広がっていった。本を読むのが好きなインドア派だったが「こんなに日に焼けて、汗をかいた夏は人生で初」と充実の日々を振り返る。
○…各ページのデザインはできつつあるが、正式名称は「まだ決まってないんです」とはにかむ。机に並べられた人々の写真は、まさに日常を切り取った自然体の笑顔。見るだけでこちらも微笑みたくなるような、人の絆が持つ力が伝わってくる。「毎日大磯の誰かに出会えるカレンダー。これがきっかけになって、人と人の新しい縁が広がって、大磯がもっと楽しい町になってくれたら」と理想の未来を描く。一人の専業主婦が始めた挑戦は、完成に向けラストスパートだ。
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3月29日