近代国家の仲間入りを目指し、明治8年に始まったといわれる日本の辞書編集。膨大な時間と労力、資金を注ぎ込み、現在使われている辞書の礎を作った編集人にスポットを当てたミニ企画展「辞書を編んだクリエイターたち」展を、二宮町の徳富蘇峰記念館で開催している。
政府の命を受けて、文部省職員で国語学者の大槻文彦が編纂した『言海』は明治24年に完成した。3万9千語を収録する日本初の近代的国語辞典だったが、資金不足に陥り、自費出版したものだったという。大正14年には三島由紀夫も愛用した『広辞林』が刊行。昭和10年、博文館から新村出(しんむらいずる)編纂の『辞苑』が出ると、口語文の分かりやすさで評判を得た。
企画展では、自らを「字書(辞書)無くしては、一日も暮らせない者」と評した蘇峰が大槻文彦や新村出、岩波茂雄らと交わした手紙、蘇峰が愛用した当時の辞書・辞典などを展示。また、幕末の慶応2年に刊行された日本最初の貴重な英和辞典『英和対訳袖珍辞書』も紹介している。12月25日(水)まで。
徳富蘇峰は明治から昭和にかけて活躍した言論人。明治23年に国民新聞を創刊した。NHK大河ドラマ「八重の桜」では、新島襄が校長を務める同志社英学校の生徒徳富猪一郎として登場する人物だ。
同館では「新島八重からの6通の手紙展」と「徳富蘇峰と大富士山展」を12月8日(日)まで同時開催中。
開館時間/午前10時〜午後4時。休館日/月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)。入館料/一般700円、高校・大学生500円。問い合わせは同館【電話】0463・71・0266。
大磯・二宮・中井版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|