大磯町 産学官で高齢化に対応 9月から「アンチロコモ教室」
大磯町は東海大学体育学部生涯スポーツ学科(平塚市)、医療機器・材料メーカーのアルケア株式会社(本社/東京都)と産学官連携し、健康増進事業として「おおいそアンチロコモ教室」を9月25日から開催する。
ロコモとは「ロコモティブシンドローム」の略称で、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態のこと。進行すると要介護になるリスクが高まる。教室では、町民にロコモ予防の知識を広めると共に運動することで自立した生活ができる「健康寿命」の延伸を目指す。
プログラムは、加齢による身体の筋力低下は下肢が著しく、移動手段を絶たれると社会から孤立する可能性が高いという考えから「下肢(股関節から先の脚全体)機能の増強」に特化。参加者は教室に参加するだけでなく、自宅でも下肢の運動を行う。
具体的には、半年間で全6回開かれる教室で同大教授らによる健康講話、下肢筋力・骨密度・歩く速さなどの測定、学生によるレクリエーションを実施。参加者は各家庭でつま先立ちやスクワット、足踏みなど5種6項目の運動を実践し、配布された手帳に内容や量を記録する。運動プログラムの効果は記録された数値から検証、調査結果として発表される予定だ。
各立場にメリット
産学官協同で実施される同事業。町は健康増進方法のノウハウの獲得、大学は高齢者研究のフィールドと学生の実地体験、メーカーは機器の提供など相互にメリットを見出した。
3者は10日に記者会見を実施。中崎久雄町長は「高齢化率が30%に達する本町では、高齢化進行対策として予防医学に注力している。産学官連携のこのような試みは全国的にも稀有。大磯を高齢者が楽しく年を重ねられる町にしたい」と話した。同大の中村豊教授は「産官学が上手く連携する最適なモデルケースとなることを期待しています」と締めくくった。
町では50歳以上の町民を対象に8月から同教室の募集を行ったが、現在は定員超の122人が申し込んでいる。参加者の平均年齢は70歳代だという。
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