神奈川県は、有識者による県津波浸水想定検討部会から報告された津波浸水予測の見直し結果を発表した。発生確率は極めて低いとされる最大クラスの地震も含めて見直し、大磯町・二宮町には最大高17・1mの津波が約3分で到達する可能性が示されている。
県は東日本大震災後、平塚市を含む沿岸部13市町の要望を受け、2012年に独自に津波浸水予測図を公表している。今回の見直しは、内閣府の「首都直下地震モデル検討会」が13年12月に小田原沖の相模トラフ沿いで発生する最大クラスの地震モデルなどを示したことを受け、「想定外をなくす」という考えのもと昨年1月から行われていた。
見直しは、相模トラフ地震など、発生間隔が「2千年〜3千年あるいはそれ以上」とされる地震なども含む、9つの最大クラスの地震を対象に行われた。県は「最も厳しい条件を想定」したという。
避難路整備など対策急ぐ
これまで大磯町・二宮町がハザードマップなどで示してきた最大の津波高予測は、「元禄型関東地震と神縄国府津―松田断層帯の連動地震」M7・9〜M8・3クラス。大磯町では、最大約9・15mの津波が地震発生後約8分後に西小磯付近に到達と予想。二宮町は、最大約5・8mの津波が地震発生後約5分後に中村川河口付近へ到達と予想していた。
対して今回の発表で両町共に最大津波高を示したのは、新たに想定に加えられた、小田原沖の「相模トラフ沿いの海溝型地震西側モデル」M8・7。発生時期は2千〜3千年以上とも言われるが、両町ともに地震発生から3分後に最大約17・1mの津波到着の予想が示されている。
発表を受け大磯町危機管理対策室は「今後正式な発表を待った上で、県や沿岸地域と連携して対策を検討していく必要がある。浸水被害想定も含め、まずは町民の方に周知を呼びかけたい」と話している。
二宮町防災安全課も同様の見解を示すと共に「今後避難路の整備も進めたい。また、地震の発生頻度からみる津波想定など、普段から想定すべき情報も加え周知できれば」と話した。
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