大磯町は、東海大学体育学部生涯スポーツ学科(平塚市)と医療機器・材料メーカーのアルケア(東京都墨田区)との産官学連携で実施した高齢者向け健康増進事業「おおいそアンチロコモ教室」の検証報告を行った。半年間にわたる月1回の教室参加と日頃の運動習慣によって「参加者の約84%が、下肢筋力が向上した」などの効果を得られたという。
23日に平塚記者クラブで3者が報告会見を開いた。
検証によると、参加者の85%にあたる100人超が同教室を継続。6カ月後の運動機能を数値で見る立ち上がりテストでは61・6%(69人)が向上、35・7%(40人)が維持、低下は2・7%(3人)だった。足腰の衰えに関わる下肢筋力は86・6%(97人)が向上・維持していた。また、毎日の運動や歩数を記録手帳につけることで「健康意識が上がり、運動量が増えた」「健康意識が上がった」と答えた人が95・8%いた。
運動プログラムの考案やデータ解析にあたった同学科の中村豊教授は「『ときどき学び、日々努力し、日々振り返り、ときどきチェック』のサイクルが参加者の健康意識を高め、運動効果を生むことが確認できた」と報告。町民の健康寿命の延伸を目指す中崎久雄町長は「県の先進的な取り組みである『未病』対策を産官学で実行することができた。これからが本番。広く町民に知ってもらう方法を考えたい」と述べた。
アンチロコモ教室は昨年9月から今年2月まで町内2会場で開催。月1回の教室では保健師らによる健康講話、下肢に特化した運動、下肢筋力測定、学生を交えたレクリエーションを行った。参加者に体操の回数と歩数、体重を記録する手帳と活動量計を配布し、日頃から運動する習慣をつけてもらうよう指導。139人の応募があり、開始時と最終回に8項目の運動機能評価を受けた112人のデータを分析した。参加者の年齢は53歳〜87歳。平均年齢は69・4歳だった。
【ロコモ=ロコモティブシンドロームの略】筋肉や骨などの運動器の障害により移動機能の低下をきたした状態のこと。進行すると要介護になるリスクが高まる。
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