三度目の正直はあった。第16回全国中学生軟式野球大会(少年軟式野球国際交流協会主催)に出場した湘南アサヒベースボールクラブ(黒川誠代表兼監督)が念願の初優勝を飾った。昨年と一昨年は1回戦で敗退。今大会は4試合中3試合で1―0の接戦を制し、世界大会への参加資格を得た。
全国大会は3月21日と22日に千葉県柏市で開催。16チームが参加した。
湘南アサヒは1回戦で優勝候補の福島のだまクラブと対決。1回表にヒットで1得点。投手・守備とも堅調で1点を守り抜いた。
岩沼東野球スポーツ少年団(宮城県)との2回戦は初回に連打で3点を奪う。好機で追加点をあげ、6―1で勝利した。
準決勝は強豪千葉マリーンズを破って勝ち上がってきた淀タイガース(京都府)が相手。両者無得点の6回表、湘南アサヒは2死満塁から1点先制。7回裏、最終回の守りに2死三塁となるも、最後の打者を三振に仕留めた。
決勝戦ではプレッシャーのなか、安定感ある投球で試合の流れをつかんだ。3回裏に2死三塁から1点先取。守備のファインプレーもあり、奥州市立前沢中学校(岩手県)に攻守で競り勝った。
同大会では大きさ・重さ・反発力が硬球と同様だが、素材は軟球と同じKボールが使用された。湘南アサヒは1日7イニングの投球制限のなか投手2人が投げ切り、大会わずか1失点。打撃ではチャンスをものにして得点、守備も冴えた。
キャプテンで捕手の蛯原浩介さん(大磯中学校新3年)は「練習の成果が出せてよかった。チームの力を一つにして、多くの大会で優勝できるように努力したい」と強いチームづくりへ意欲を燃やす。最優秀選手賞に選ばれた投手の富田歩さん(同)は「僅差の試合が多く、いつも以上に一球一球への集中力が高い状態でプレーすることができた」と試合を振り返った。
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