大磯町で器の展示会を開く 丹羽 健一郎さん 秦野市在住 60歳
器づくりに情熱注ぐ
○…7月1日から31日まで大磯町で展示会「TABI〜宝物を探しに〜」を開く。旅をテーマに、器と樹脂アクセサリー作家の作品で空間を創る。会場はタイムスリップしたような、昭和の風情たっぷりの古民家を再利用した「つきやま Arts&Craft」。「何かありそう。旅に出て、ふと立ち寄った場所で自分の好みの物を見つける感じ。不思議がって見ていただけたら嬉しいですね」と語る。
○…秦野市内の自宅に「陶房 名古木」を構え、うつわ作家として活躍する。丹沢麓で登り窯を開いている陶芸家・中島克童さんと知り合い、陶磁器の世界に関心を持った。独学で作陶に取り組み、会社勤めをしながら各地のギャラリーや美術館などで作品を発表。58歳で一念発起し、創作活動に専念するため定年を待たずして退社した。「サラリーマンはいつか辞める時がくる。一生できる仕事をしたい。時間が欲しかった」と振り返る。
○…理想とする表現を模索し、公募展に出品したり、目を引く作品やインパクトのある作品を追いかけたりしたこともあったという。現在は余計なものを削ぎ、作品の本質を追求する。「人に見て、手に取って、使ってもらうことが一番の評価」と言い切る。自動車メーカーのチーフモデラーの経験を買われて週2日、専門学校でデザインの講師を務める。我が子たちと同年代の学生と接するのは「とても新鮮」と話す。
○…今回の展示会開催は「ふるさとに帰ってきた気分」なのだという。結婚した頃、会社の上司の家の留守番を任され、2年ほど大磯町で暮らした。「あれから約30年経って大磯の良さがやっと分かってきた」と笑顔をみせる。大磯市や「大磯うつわの日」などのイベント、分野を越えて交流・連携する人々に「まちを盛り上げよう、大磯を魅力的な場所にしていこうという意気を感じる」と話す。「ここで得た人との繋がりは有り難いもの。大事にしたい」
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