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大磯町でつぼ焼きの焼き芋を販売する 長橋(ちょうはし) 徹さん 平塚市在住 36歳

公開:2016年2月19日

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「伝統の味」つぼでじっくり

 ○…住宅地にひっそりと佇むビルの軒先から、風に乗って甘い香りが漂う。正体は、日本人に馴染みの深い秋冬の風物詩「焼き芋」だ。石焼きではなく、大正時代に生まれた「つぼ焼き製法」にこだわる。11月から4月ごろまで営業し、香りにつられて訪れる客たちの心と体を温めている。

 ○…インテリア設計事務所からの転職を考えた際、デザイン力を生かせる仕事を探した。「焼き芋って、どこからともなく売りに来るイメージがあった。そうじゃなくて、産地にこだわりながらデザイン性も取り入れたら、面白いブランディングができると思って」。父の助言からつぼ焼きの存在を知り、昔ながらのつぼを生産する愛知県の工房から試しに1つ購入。子どもがすっぽりと隠れるほどの巨大なつぼで作る焼き芋は、主流の石焼きにはない独特の口当たりが癖になった。

 ○…2008年、つぼ焼きのサツマイモを専門に扱う「やきいも日和」を設立し、平塚市のイベントなどで販売を始めた。オリジナルの包装紙で焼き芋をキャンディーのようにくるむ方法を考案し、品種は甘味の強い「べにはるか」を使う。11年からは、歯科医院を改装した雑居ビル「OISO1668」(大磯町大磯1668)の片隅に店を出す。1日100本以上売れることもあるといい、営業する月曜日と木曜日は寒さを忘れてサツマイモを焼く。

 ○…名刺の肩書きは、焼き芋屋ではなく「焼芋家(か)」。焼き芋を陶芸や盆栽などの芸術作品に見立て、保存普及に取り組もうという思いからだ。現在は星槎湘南大磯キャンパスで高校生に「やきいも学」なる授業を教え、歴史だけでなくサツマイモの栽培、収穫から加工販売を通して6次産業の仕組みを伝える。「焼き芋の販売も授業も、グローバル化の中でそぎ落とされてしまいがちな、日本古来の良さを残したくて続けているんです」。伝統と向き合う芸術家には、大磯の水が良く合った。

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