中井町井ノ口の渡辺拓矢さん(27)が、蔵楽(くらら)ギャラリー(中井町井ノ口893)で作品展を開催している。精神的ハンディを抱えながら、通所する福祉作業所や自宅で描いた心象画を紹介する初の個展。「たくさんの人に、絵を見て喜んでもらえたら」と渡辺さんは話している。
秦野市の福祉作業所に通所している渡辺さんは、20歳のころから絵を描くようになった。その時々の体調や精神状態を表現した、抽象的な作風が特徴だ。画材はオイルパステルを使い、緩やかな曲線や目の覚めるような色彩の作品から、陰鬱としたイメージが漂うものまで、内面と向き合いながら生み出す絵には自身の心象風景がありありとにじみ出る。
2年前からは、障害を持つ人たちの作品展にも参加するようになった。「これまでは絵を描くだけで満足していたけれど、僕の絵を見て喜んでくれる人がいることに感動した」と渡辺さん。今回は初の個展とあり意気込みもひとしおだ。
渡辺さんに絵を指導している三嶋眞人さんは「ハンディがある人はそれだけで全てが劣っていると見られがちだが、1人の表現者として接することが自己存在を確かめるきっかけになる。彼がお客さんに絵を見てもらう喜びを知ったことも、コミュニケーションツールとしてのアートのあり方を示しているのでは」と話す。
会期は5月8日(日)まで。各日午前11時〜午後5時(最終日4時)。渡辺さんも在廊する予定。
問い合わせは蔵楽ギャラリー【携帯電話】090・9846・0453。
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