2020年東京五輪・パラリンピックに向けて事前キャンプ候補地を視察するため、ブータン王国オリンピック委員会代表団が12日、神奈川県内の施設を訪問した。一団は大磯町に立ち寄り、同委会長を務めるワンチュク王子は「自然と調和して施設が造られていることに感心した」と語った。
来日したのは、国王の弟にあたるジゲル・ウゲン・ワンチュク会長とスポーツインフラ開発部門長ら6人。伊勢原市にある県立射撃場と箱根町総合体育館、星槎大学箱根キャンパス、小田原市の城山陸上競技場の4カ所を見て回った。視察に先立ち、11日には県庁で黒岩祐治知事と面会した。
視察を終えた代表団は大磯プリンスホテルで記者会見し、ワンチュク会長は視察先の設備や環境について良い印象を得たことを報告。同国は2012年のロンドン五輪でアーチェリーと射撃に選手1人ずつを派遣しており、「パラリンピック出場も視野に入れ、2020年の東京大会では最大の選手団を送れるように努力したい」と抱負を述べた。
草の根レベルで若者に対するスポーツ振興を図り、オリンピックの出場機会を増やしていきたい考えであることも表明。「海外のトップアスリートがブータンを訪れ、子どもたちに夢を与えてくれたら嬉しい」と期待を寄せた。
県スポーツ局長と小田原市、大磯町、箱根町の首長も会見に参加。大磯町の中崎久雄町長は「心を大切にするブータンと大磯町との友好を深めたい」と話した。
日本とブータンの外交関係樹立から今年で30周年。会見後に王子主催のレセプションパーティーが開かれ、外務省や日本オリンピック委員会、日本陸上競技連盟、自治体などの関係者約280人が出席した。
視察には、横浜ブータン王国友好協会設立や交換留学生の受け入れなど、同国と20年以上にわたり交流・支援活動を続けている星槎グループが協力した。
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