70歳以上のシニアサッカークラブでプレーを続ける 大谷 豊明さん 大磯町生沢在住 74歳
サッカーも漁も生涯現役
○…ハーフパンツからのぞく隆々としたふくらはぎが誇らしい。70歳以上のシニアサッカークラブ「茅ヶ崎70雀(がら)」に所属し、今も現役としてボールを追う。1968年のメキシコ五輪で得点王に輝いた、釜本邦茂氏より2歳年上の74歳。「最近はお腹が出てきちゃってね。練習が終われば、『あそこの整骨院が良い』とか、そんな会話ばかり」。加齢には抗えなくとも、気の置けないチームメートと送るサッカー生活を楽しんでいる。
○…サッカーを始めたのは今から約60年前、中学生のころだった。野球などと比べて競技人口はまだまだ少なかったが、11人がそれぞれの役割をこなすチームスポーツに魅力を感じた。高校まででサッカーを辞め、長男が地域のスポーツ少年団に入ったことを契機に、コーチとして再びボールに触れた。以来35年、週末は小学生の指導に汗を流す。シニアクラブには知人の紹介で加入。「まだまだ走れる」。70歳という年齢に不安はなかった。
○…得点を狙うフォワードが得意なポジションだが、ディフェンダー、ゴールキーパーまで何でもこなす。平塚市の馬入サッカー場で週に1回の練習に参加し、大会があれば地方遠征にも赴く。6月4日から6日に長野県松本市で行われた「シニアサッカーフェスティバル」には、関東地区代表として参戦。自身も3試合全てにフル出場し、得点こそなかったがブロック準優勝に貢献した。
○…仕事は父親から継いだ海藻類の卸売業。葉山町に嫁いだ長女が、週に1回手伝いに来てくれるという。仕事とサッカーを離れれば、25年ほど前から大磯の海で地引網漁を続ける「海の男」としての一面も。早朝から浜辺に立ち、漁仲間と共に夢中で網をたぐる生活は「足腰が鍛えられて、サッカーをするのにもってこい」。年齢を感じさせない活気横溢な暮らしぶりが、白髪をなびかせてピッチを駆ける原動力になる。
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3月29日