二宮町長インタビュー 一色小学校区再生に力庁舎整備も待ったなし
―昨年は、一色小学校区で地域再生に向けた事業が始まった。
町と県住宅供給公社、地域住民による協議会が立ち上がり、コンサートやイベントを企画した。公社の取り組みでは、地域住民の集いの場となる「コミュナルダイニング」が完成したほか、二宮団地のリノベーションも、若い世代にアピールできる魅力を持っていると感じる。町が目指す定住促進という大きな目標に向け、積極的にPRしていきたい。
駅周辺と比べても、一色小学校区は商業施設や学校が近接し、自然も残る良いエリア。これまでは不動産業者が行ってきたこと、例えば住みやすさとか、こんなに快適な暮らしができるといったことを含めて、行政も具体的に分かりやすく発信していかなければならない時代になったと思う。
―公共施設の再配置、とりわけ庁舎の整備については。
もう後回しにできないところまで来ていると思っている。災害時の拠点としての役割を第一に考え、耐震補強を行うのか、仮庁舎のようなものを検討するのか、次年度に一定の方向性を出したい。
―新庁舎建設の可能性はあるか。
財政を考えると難しいだろう。町民のためとはいえ、将来にわたる無理な借金を背負うわけにはいかない。耐震補強や仮庁舎を現実路線として、どちらが町民のためになるのか、慎重かつスピーディーに考えていきたい。
―町長が考える二宮町の強みは。
繁華街や遊技場がなく、どこかのんびりとした環境が他の町にはない魅力。よく安全安心なまちづくりといわれるが、そういうところに神経質になることなく暮らすことができる。駅の近くに海や吾妻山など豊かな自然が残り、ハード面ではラディアンや図書館、体育館や温水プールがある。ゆっくり子育てしたいという人には、ぜひ目を向けてもらいたい。
―駅前の活性化について。町民発の南口のマルシェは、これまでにない人の流れを生み出している。
アイデアを持った民間の方による活動が、行政だけでは仕掛けられない地域活性化につながっている面白い例だと思う。イベントの開催場所にある空きテナントが埋まるなど、町主導の再開発では想像もつかないことが、そういう形で巻き起こっている。行政としても、町民発の取り組みとコラボレーションして応援していきたいという思いを持っている。
―次年度に取り組む主な事業については。
一色小学校区の地域再生事業と公共施設の再配置、未利用地の検討をより具体化させていく。また詳細はこれからだが、太陽光発電によって自然エネルギーを生み出していこうという町民発の動きもある。その先の雇用創出、地域経済への波及といった期待を持ちながら、3月に開催されるスタートフォーラムを楽しみにしている。
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3月29日