―今年度、印象に残っている事業は。
教育面ではスクールランチがスタートした。町としては単なる学校給食ではなく、食育という考えに基づいて教育的要素を取り入れていきたい。地域の農業者や漁業者と連携して地産地消のメニューを提供したり、農作物の栽培から収穫まで、一貫した農業体験を子どもたちが学習したりといった広い視点での食育が推進できたらと考えている。
子育ての面では、認定こども園「あおばと」の開設、病後児保育にも着手した。2018年度には国府幼稚園を私立の認定こども園に移行し、小さな町に2つの認定こども園が整備されることになる。第2子以降の保育料無料化策も合わせ、子育て環境の基盤整備を進めることができた。
―健康に関する施策にも力を入れた1年だった。
保健師が全町を回って健康相談などに応じる「おあしす24健康おおいぞ事業」は、これまでに1000回近く開催し、参加者も延べ1万6千人を超えた。また東海大学や医療機器メーカーのアルケア(株)と取り組む「アンチロコモ教室」も、全国的に注目を集めている。産学連携による次の取組みとして、新しい健康産業を起こそうという動きもあり県の未病産業の考えともリンクすることから、近々に実現できるよう町も支援していきたい。
―観光面では城山公園の施設整備が一段落した。
郷土資料館と旧吉田茂邸を歴史や文化を享受できる観光拠点にも位置づけていくことで、大磯の魅力を全国に発信していく。郷土資料館は物を集積するだけでなく、そこに学問を取り入れようという学芸員の熱意を感じる。費用はかかるが、それが町の誇りともいえる施設に成長した理由でもある。
―旧吉田茂邸の活用に向けては、飲食空間の整備も必要では。
実際に、城山公園の中には喫茶可能な茶室もある。法令の制約はあるが、県と話し合いを行い、町としても様々な方策は考えていきたい。
―港周辺の観光促進は。
みなとオアシス(大磯港賑わい交流施設)の整備計画は、2019年度の供用開始を目指している。大磯市などの民間活力も基盤にしながら、港エリアを発展させたい。太平洋岸自転車道については、大磯プリンスホテルに向け二宮方面に延伸する計画が国で進んでおり、湘南のサイクリングロードとして、ますます活用されることが期待される。
―次年度に取り組む重点施策は。
教育面においては教員が子どもと向き合う時間を増やすことが重要であるため、教員の抱える課題解消に向け、町と教育委員会、学校が一体となって取り組んでいく。そして、1市2町(平塚市、大磯町、二宮町)消防指令センターの運用が始まることから、防災にも力を入れる年になる。最後に、町の貴重な資源である農業振興に取り組む。今年度に続いて農業関係者などから積極的に意見を聞く機会を設け、若い人の新規就農に向けた可能性を探りたい。
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