大磯町教育委員会の教育長に就任した 野島 健二さん 平塚市在住 66歳
「人づくり」教育の信念に
○…大学で先進国と発展途上国の経済格差に起因する南北問題を学ぶなかで、「釣った魚をあげるよりも、釣り方を教えることが大切」と教育の重要性を実感した。中学校などでの教員人生を終えて教育行政の長に就き、「政策よりも心を大事に」という方針で子どもたちを見守る。
○…県の教員採用試験に合格し、「まさに運命」と母校の国府中学校で5年間教鞭をとった。タケノコのようにぐんぐんと成長する生徒の姿に応えようと、若さを武器にがむしゃらだった駆け出し時代。当時の教え子は50代を迎えているが、「今でも付き合いが続いています。教師ならではの交流ですね」。異動後は平塚の中学校を転々。29歳で職場結婚し、娘2人を授かった。「妻とどちらが先に家に帰るか競争でしたよ」と振り返る。
○…結婚を機に住まいを大磯から移したが、「風光明媚で歴史豊か。小さくても魅力にあふれた町」と、生まれ育った土地への愛着は強い。実家は国府小学校から目と鼻の先で、「グラウンドで怒られている姿が、洗濯物を干している母親から丸見えでね」と笑う。ピアノやテレビ、テープレコーダーなど、家にはなかった設備が揃う学校は格好の遊び場だった。何よりも、学校で働く教師の姿は幼心にも憧れの存在だったという。「人づくりの一端を担う」という教員の熱意を盛り立てるためにも、働き方改革を含めた教育現場の整備を進めることが急務と感じている。
○…大学時代は町体育協会のヨット部に所属し、北浜海岸のかぶと岩から平塚沖を目指すなど湘南の自然を満喫。現在も、教員時代にマリンレジャーで意気投合した仲間の小型船に乗り込んでクルージングを楽しむ。20年近く乗り続けている「相棒」のドイツ製ワゴン車でキャンプに繰り出すなど、海に山にとアクティブな趣味人。「仕事と遊び、両立が大切ですよ」。今、後進に伝えたい言葉だ。
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