4月1日付で二宮町消防長に就任した 林 栄一さん 小田原市在住 60歳
消防力の礎 信頼で築く
○…「部隊の活動はチームプレー。信頼関係を築くためにもコミュニケーションが重要」と説く。消防署長から町消防本部のトップに就いた。新採用の消防職員には「仲間を大切にしてほしい」とも。全職員46人で日々の訓練に励み、町民の安全と安心を守る。
○…「留守中に警報器が鳴り、隣の住民が気付いて119番通報をしたところ大事に至らずに済んだことがあります」。住宅用火災警報器の設置が義務化されてから約10年。使用期限を迎える時期にあたり、「万が一に備えて正常に作動するか、各家庭での点検をお願いします」と呼びかける。
○…小田原市出身。子ども時分は「椅子に座っているより、体を動かす方が合っていた」と振り返る。二宮町で消防団員を務めていた伯父の勧めで消防の道へ。40歳の時、同本部で4人目の救急救命士になった。「当時に比べると、心肺停止前の傷病者に対する輸液など救命士ができる医療行為が拡大しました」。現在15人の国家資格者がいる。
○…東日本大震災の発生時は勤務明けで自宅にいた。すぐさま職場へ駆け付け、町内の状況を確認。派遣指示が出され、夕方には県内21消防本部からなる緊急消防救助隊の1次隊として被災地へ向かった。津波で甚大な被害を受けた宮城県仙台市若林区に入り、3日間、人命検索と救助活動にあたった。その後も休暇を利用して災害ボランティアバスで岩手県大槌町などをたびたび訪問。がれきの撤去作業に加わった。
○…「職員や消防団員の活動は家族の協力のおかげ。女房には迷惑をかけっ放しだけど」。ゴルフはご無沙汰。遠出もなかなかできないが、帰宅後の一杯で英気を養うというビール党だ。休みの日にランニングで鍛錬する部下を見かけると「真面目に頑張っているな」と心強く思う。早朝に愛犬と散歩するのが日課。消防学校と救急救命士養成所で共に訓練を積んだ同期と長い付き合いを続ける。
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