二宮高校の相模人形部が、7月31日から宮城県で始まる全国高校総合文化祭(みやぎ総文)に出場する。全国挑戦は5年ぶりで、部員13人全員が初体験。文化部にとって最高峰の舞台で、県内に息づく伝統の人形芝居を情感豊かに披露する。
相模人形芝居は、1体の人形を主(おも)遣いと左遣い、足遣いが息を合わせて操る「3人遣い」が特徴。40年近い歴史を持つ同部は、小田原市の「下中座」の協力を得て県内でも珍しい高校生による相模人形芝居に取り組む。一時は部員減少で存続の危機にも瀕したが、今年は5人の1年生が加入。芝居中に数人の部員が役割を掛け持ちしながら、持ち前の全員芝居に磨きをかけている。
昨年12月、県総文祭郷土芸能発表会で優勝し、みやぎ総文出場を決めた。今月25日には最後の全体練習を行い、通し稽古で細かな動きなどを調整した。
今回上演するのは、5年前の全国総文祭でも演じた「怪童丸物語・下鴨神社の段」。金太郎の幼名で知られる坂田金時を題材にした作品で、千寿姫をさらおうとする大ムカデと金時が戦うシーンが見どころだ。金時の主遣いを任されている3年生の下澤光さん(18)は「上下左右に動く激しい立ち回りをうまく表現したい。3年生にとっては最初で最後の全国で、悔いのない芝居を見せられたら」と意気込む。
千寿姫の主遣いとして、奥ゆかしい所作を最後まで確認していた2年生の高尾あゆみさん(16)は「緊張することなく、普段通りの自分たちで臨みたい」という。入学当時の部活動紹介で芝居を目にし、自由自在に動く人形の姿に感銘を受けて入部を決めた。主遣いの立ち回りは人形全体の動きに影響を及ぼすためプレッシャーも感じるが、「見る人が楽しんでくれることで苦労も吹き飛びます」と充実した表情を見せる。
30年以上にわたって同部を指導する下中座座長の林美禰子さん(72)は、全体練習を見守り「ひとまず合格点。全国では失敗を恐れず、精一杯頑張ってほしい」とエールを送った。
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