「二宮野鳥の会」の副会長を務める 白井 弘恭さん 小田原市在住 74歳
身近な野鳥の姿追う
○…高校生から80代まで67人の会員を抱える「二宮野鳥の会」で12年近く活動し、副会長を務める。「趣味の山登りで鍛えた足を生かせると思って」と入会。鳥の名前を覚えていくうちに、すっかり探鳥の魅力にはまった。吾妻山や中井の厳島湿生公園、大磯の海岸などでの観察会をはじめ、県内外で行う定例の探鳥会や日光、戸隠などへの探鳥ツアーで各地の渡り鳥や留鳥を追いかけている。
〇…会の中ではバードカービングのグループに所属し、精巧な野鳥彫刻に熱を上げる。木片から鳥の形を彫り出し、アクリル絵の具で彩色する手間暇かかる趣味だが、「昔から版画で年賀状を作っているから自分には向いているんです」と、年に4体ほどのペースで制作。自宅にはカケスやイソヒヨドリ、ルリビタキなど過去に作ったコレクションを飾り、小粋なインテリアに。29日から始まる「二宮野鳥の会展」でも、会員と共に力作を出展する。
〇…吾妻山をはじめとした二宮周辺では、サンコウチョウなどの珍しい夏鳥や町の鳥でもあるヤマガラなど多くの野鳥が観察できる。「探鳥を通して四季の移ろいを感じられるのが醍醐味」という一方で、1991年の発足当時から活動する会員からは野鳥の減少を指摘する声も。鳥のさえずりが響く身近な自然を尊ぶだけでなく、中国や東南アジアなど、渡り鳥の生態に影響を及ぼすグローバルな環境問題にも考えをめぐらせる。
〇…会社員時代は大阪や愛知、茨城などに転勤し、8年間の在阪中に妻と出会い30歳で結婚した。「互いのことを考えあって、自分の意見を押し付けないこと」が夫婦和合の秘訣。会での活動が縁で、今では共通の趣味仲間になったという。「お互い野鳥に興味を持つようになってから、一緒に散歩に出かけるようになりました。旅行先でも双眼鏡を手放しませんよ」と笑いあう様子は、おしどり夫婦そのものだ。
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