第1回アジアマスターズ水泳選手権で4種目の金メダリストになった 安池 一雄さん 大磯町東町在住 89歳
健康長寿のスイマーは挑む
○…マスターズ水泳国内最高峰の日本選手権大会を兼ねた第1回アジアマスターズ水泳選手権大会で金メダル4個を獲得した。7月に名古屋市で大会が開催され、100m・200mの平泳ぎと背泳ぎ90〜94歳部門にエントリー。3日間で4種目を泳いで好記録を達成、栄誉ある初代アジアチャンピオンに輝いた。「日本一になってアジア1位にもなれた。歳を取ってもまだまだ頑張れる。はっはっはっ」。ピカピカのメダルを胸に、笑顔が発する声は力強い。今月11日に卒寿を迎える。
○…大磯町で4人兄弟の長男として生まれた。地元の海で泳ぎを覚え、監視員のアルバイト中に人命救助をして表彰されたこともあるという。本格的に競泳を始めたのは日大の学生時代。国体にも出場した。大手通運会社に勤め、働き盛りだった35歳のとき。中耳炎で右耳の鼓膜が破れ、水泳から遠ざかった。40年後、人工鼓膜を使った手術についてたずねた病院で「耳栓をすれば泳げる」といわれ、再び水泳を始めた。「マスターズ水泳なら、いいところまで行けるかも」。2003年、日本マスターズ選手権に初挑戦。以来、帯状疱疹で欠場した昨年を除いて毎年出場。エントリーの条件である標準記録を上回るタイムを維持するために、日々努力を重ねる。
○…朝6時半起床。食べ物の好き嫌いはなし。ダックスフントの「ひじき」との散歩が日課。グラウンドゴルフに書画、油絵、骨董など多彩な趣味を楽しむ。七福神や武将の絵に「絆 一生挑戦」「人生とは自分との勝負である」と書き添え、モットーを地で行く。俳句は「死ぬまでに5千句」が目標だ。「若い人にはまだまだ負けません」。最近、ひ孫が一人増えた。孫が9月に結婚するそうで、頑張る金メダリストにはおめでたいことが続く。
|
|
|
|
|
|