国の重要無形民俗文化財にも指定されている大磯町の「左義長」が、1月13日(日)に北浜海岸で開かれる。藁や竹に正月飾りなどをくくり付けた高さ7〜8メートルの「サイト」9基に火を点けて、炎であぶった団子を食べることで1年の無病息災を祈る。
左義長は、北浜海岸沿いの下町9地区で小正月に行われる道祖神の火祭り。1年の家内安全や無病息災を道祖神(セエノカミサン)に祈り、円錐形をした9基のサイトにその年の恵方から一斉に点火する。サイトが勢いよく燃え上がり、火の粉を舞い上げて日没後の海岸を照らす光景を見ようと、毎年多くの住民や観光客で賑わいをみせる。
サイトヘの点火は午後6時30分を予定。炎が先端のオンベ竹に達すると恵方の方角にサイトが倒される。続いて勇ましいふんどし姿の男たちが疫病神を封じ込めた「仮宮」を海と陸から綱で引き合う「ヤンナゴッコ」が行われ、盛り上がりは最高潮に達する。また「サイトの火で焼いただんごを食べると1年間風邪をひかない」という言い伝えにちなみ、会場周辺ではだんごと竹竿のセットも個数限定で販売される。
存続に向けて
400年近い歴史を持ち、大磯で晩年を過ごした文豪の島崎藤村も魅了されたという伝統行事だが、近年は材料費の高騰による資金難や高齢化に伴う担い手の減少で存続を危ぶむ声も出ている。
その中で左義長を後世に伝えていこうという支援の動きもある。大磯左義長保存会では、オリジナル清酒「大磯左義長」を販売して売上の一部を開催費に充当。NPO法人大磯だいすき倶楽部では、観光案内所などで左義長の保存に500円以上の寄付をした人に福銭入りの「左義長木札」を進呈しているほか、外国人観光客を対象にしたツアーを実施する。保存会の芦川博昭会長は「地域の老若男女全員が参加する無形文化財は珍しく貴重。大切に守っていきたい。いわゆる『どんど焼き』以外にも様々な行事が行われるので、併せて見てもらうと奥深さが楽しめます」と話している。
問い合わせは大磯町観光協会【電話】0463・61・3300。
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