大磯町横溝千鶴子記念障害福祉センターの2階で障害福祉サービス事業所「かたつむりの家」を運営する社会福祉法人おおいそ福祉会に対し町が明け渡しなどを求めた訴訟で、町は7月2日、町の請求を棄却した第一審の判決を不服として控訴することを決めた。
両者は施設使用料や使用期限についての話し合いで折り合いがつかず、2016年に町が施設の明け渡しと賃料相当損害金の支払いを求めて提訴した。横浜地裁小田原支部は今年6月21日の判決で、建物の所有権が町にあり、違法状態にある使用賃借契約を無効とした一方で「同法人の障害福祉事業や利用者への十分な配慮がされないまま、現時点において明け渡しや損害金の支払いを求めるのは権利の濫用にあたる」と町の訴えを退けた。
高裁へ上訴
町は控訴の理由を「一審の判決を受け入れることは、行政財産の独占的、永続的使用を認めるという違法状態を放置することになる。また、建物の明け渡しと賃料相当損害金を求めることは権利の濫用または信義則違反ではないとしながらも、現時点において権利の濫用としたことは承服できない」などとし、「行政財産である施設の使用適正化の観点から、町が明け渡しを命ずる判決を求めることは当然。今後はセンター全館が早期に、町内の障害福祉団体が公平・平等に使用できる施設となるよう、同法人も含めて協議を重ねていく」とした。控訴の知らせに、かたつむりの家の末村光介施設長は「残念の一言。こちらは一審の判決を真摯に受け止め、将来的な移転先の確保など次のステップに向けて準備しようとしていた矢先だった。署名を募り、控訴取り下げの要望書を提出するなど、我々の思いを訴えていきたい」と話した。
大磯・二宮・中井版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|