2004年10月に発生した新潟県中越地震の被災者による講演が9月1日、二宮町で行われた。富士見が丘三丁目自治会が、自主防災訓練のプログラムの一つとして実施。同地区の防災コミュニティーセンターに住民約50人が集まり、地震被害の実態と防災対策について学んだ。
講師を務めたのは、元十日町市職員で大磯町に住む高橋忠則さん。高校3年だった55年前、新潟地震に遭い、中越地震では同市にあった自宅で震度6強の揺れに襲われた。
高橋さんは、割れた食器や本などが散乱し、家具が倒れた部屋の写真を見せながら「惨憺たる状況。小さな怪我をしても思うように動けなくなる」と説明。道路の陥没や塀の倒壊で車両が通行不能となり、ガス・灯油漏れの危険性から寒くても火気を使用できなかったことなどを振り返った。
災害時の共助には花見や雪まつりの行事を通じた住民の交流が役に立ち、救援物資として受け取ったおにぎりに後日、請求書が来たという「想定外」の話も披露した。
避難所では畳1枚分のスペースに「隣の人とお尻をくっつけて」2人で寝る状況を、参加者の前で再現。中越地震以降、高橋さんがいつも用意しているテントや寝袋、小銭などの防災用品も紹介し、非常用持ち出し袋は手元や枕元に置くように呼びかけた。
自身の体験をもとに、被災経験のある自治体との相互救援協定の締結や地震保険加入の必要性についても語った高橋さん。「自宅の耐震補強などできることはやっておくべき。震度6強の地震が来たらどうするか。わが身に起きることとして備えてほしい」と訴えた。
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