第55回神奈川県美術展の入賞者が先ごろ発表され、大磯町出身の日守錬さん(28)の作品「自作詩『虹の袂まで』」=写真=が、書の部門で大賞、準大賞に次ぐ特選に選ばれた。
県美術展は年齢や所属、国籍を問わず、誰でも応募できる公募美術展。今年は全国から1085点の作品が集まり、「平面立体」「工芸」「書」「写真」の4部門で40点が入賞した。9月に神奈川県民ホールで表彰式が行われ、入賞者に黒岩祐治県知事から表彰状が手渡された。また同ホールと厚木市文化会館で展覧会も開かれた。
日守さんが県美術展に出品するのは今年で10回目。ほぼ毎回、自作の詩文を出品しており、今回の作品には「未来への目標や希望・憧れの象徴である『虹』を見逃さぬよう、しっかり見続けて歩んでいきたい」という思いを込めた。入賞の知らせに「大変驚いたが、この賞に恥じぬよう今後も精進していきたい」と謙虚に思いを語った。
心を動かす作品めざす
祖父と母親が書道教室を開いていた環境で育ち、幼稚園の頃から書道を始めたという日守さん。高校生の時に漢字とかなが交じる「近代詩文書」というジャンルに出会い、書家の船本芳雲氏に師事して古典臨書から近代詩文書まで幅広く学んだ。大学院で光と熱の研究をしていたことから現在は総合電機メーカーに勤め、施設や道路、美術館などの設計や建設に携わる会社に照明のプランニングや技術的な支援を行っている。社会人になって筆を持つペースは減ったが、毎日書道展・神奈川県美術展・書燈社展には必ず出品し、かながわ書道まつりや所属団体の錬成会にも参加し続けている。高野山競書大会で弘法大師賞、毎日書道展や書燈社展でも受賞歴がある。
日守さんは「『自分の言葉・詩文を書でどう表現するのか』にこだわることを教えてくれた師匠のように、自分の言葉と多彩な書表現で、多くの人の心を動かす作品を生み出すことが大きな目標。また照明にこだわった、自分だけの展覧会も開いてみたい」と今後の目標を掲げた。
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