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明治150年記念連載 大磯歴史語り 第32回「原敬【7】」文・武井久江

公開:2019年10月25日

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介寿荘跡地の店舗入口にある胸像
介寿荘跡地の店舗入口にある胸像

 今回は、原が行った内閣総理大臣としての業績について語ります。

 (1)藩閥の打倒打破と政党政治(外務・陸軍・海軍以外の大臣を衆議院第一党の政友会党員で組織)の確立。(2)四大政綱〜「教育の充実」*高等教育機関の増設↓慶應義塾・早稲田・明治・同志社など各私立大学の認可。東北大学・北海道大学・九州大学の設立。外国語教育の重視(小学校1年生から英語を)。「交通通信機関の整備」↓鉄道網の整備・地方線の拡大(149路線約1万Kmの新設計画)。港湾の整備。通信手段(電信・電話)の拡張。「国防の充実」↓第1次世界大戦は航空機が初めて軍事用に実用化された戦争で、原は新兵器の出現を指摘し陸軍航空部を設立。「産業振興」鉄鋼業を奨励します。これらの「四大政綱」は各種の産業を育成し、地域に利益をもたらして献金や票を集めることに繋がり、立憲政友会の地方への勢力拡大の原動力になりました。特に、高等教育機関の拡充については、大正天皇から金1000万円が下賜されることになったとか。まだまだ、あります。都市計画法・公設市場の設置。医療保護法・国会議事堂の建設着手、等々。著述家(随筆・日記・短歌・俳句に親しむ)であり、趣味は囲碁・将棋。教育に関して「漢字減少論」「ふり仮名改革論」、外国語教育に貢献しました。

 調査資料の中に「歴代政治家10傑の内閣総理大臣」(日本経済新聞平成2年11月)の、第1位原敬以下吉田茂、伊藤博文、西園寺公望、池田勇人。「20世紀最高の内閣」の総理大臣は原敬(月刊現代平成12年4月号)と書かれています。吉田茂はある本の中で、近代政治史のバイブル「原敬日記」を「総理大臣必読の書」と呼んでいます。原は明治8年4月14日から大正10年11月4日(暗殺される当日の朝)まで、46年間日記を書き続けました。そして彼が最も大切にしたことは、家族・先生・上司・故郷を大切にし、恩返し(母の世話をする介寿荘建設等)をすることでした。次回はなぜあんな死に方を? 写真は盛岡、介寿荘跡地の銅像です。(敬称略)
 

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