大磯特産の大玉柿が、今年も収穫期を迎えた。町内の農園では、ずっしりと実った橙色の果実が枝をたわませている。シャクシャクとした食感と甘さが特徴の「太秋」のシーズンが終わり、とろけるような柔らかさと甘みのある「富有」が間もなく食べごろを迎える。
「大玉で味の良い実を作るために剪定や摘果、摘蕾といった手入れを一つひとつ丁寧にやっています」と話すのは、生産者でつくる大磯町落葉果樹研究会の鈴木教夫会長=寺坂=。今年は受粉前の霜害や夏の高温・大雨、台風15号による枝折れや落果で収量こそ減ったが「でき上がった実は上々。大生産地に負けない品質です」と太鼓判を押す。
甘みが強く、高品質の大玉柿は大磯の逸品として人気が高いが、生産量が少ないことから市場に出回らず、農家の庭先や直売所、固定客への宅配での販売が中心となっている。「完熟した状態で収穫、販売できるので味は格別。地産地消の良いところです」と鈴木会長。生産農家の連絡先は町のホームページで確認できる。また11月23日(土)にJA湘南大磯支所駐車場で催される「大磯ふれあい農産物まつり」で大玉柿の試食販売が行われる。
担い手不足に新技術も
大磯で大玉柿づくりが始まったのは40年以上前。大量生産地との差別化を図ろうと、生産者たちが県の園芸試験場とともに果実の大型化に向けて研究を重ねた。同会の生産者たちは現在も毎年の土壌検定や講習会の開催などの研鑽を続けているが、高齢化により14、5軒のうち寺坂や黒岩、国府本郷地区の5、6軒が生産販売を続けているのが実情だ。
一方で光明もある。県農業技術センターが開発した「樹体ジョイント仕立て」という栽培方法が、大幅な省力化につながると一部の農園で試験導入が始まった。樹高を低く抑えるため脚立作業が不要になり、鈴木会長も「高齢化による担い手不足の解消につながるのでは」と期待を寄せている。
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