大磯・二宮・中井版 掲載号:2020年1月1日号 エリアトップへ

新春町長インタビュー 令和の新時代 各町のビジョンは

政治

掲載号:2020年1月1日号

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中崎久雄大磯町長
中崎久雄大磯町長

 2020年の年頭に当たり、本紙では大磯町・二宮町・中井町の町長に新春インタビューを行った。今回は3人の写真にスマホをかざすと、町民への動画メッセージが視聴できるARを採用した(視聴方法は上記)。

大磯町「安全・安心」掲げ課題解決一歩ずつ

 ―19年はどのような年だったか。

 町長として3期目がスタートし、町の抱える様々な課題や取り組みに対して町民の「聲(こえ)」を大切にしてきた一年だった。自然災害も年々深刻さを増し、昨年の台風の際には約600人が避難する、町始まって以来の事態となった。一人も失くしてはならないという気持ちで災害に備え、今後も安全・安心なまちづくりを第一に考えた町政運営を貫いていく。

 ―進行中の開発事業の進捗は。

 大磯港賑わい交流施設は東京五輪前の開業をめざしていたが、様々な要因で工事の完了が9月頃までずれ込む可能性が出てきている。見識と実績ある指定管理者のもとで、新しい形での地方創生の拠点としたい。

 国が神奈川県や大磯町と連携して整備する明治記念大磯邸園については、一部区域の一般公開に向けて準備が進められている。町も一体となり協力していく。

 大磯駅周辺の再整備については、計画区域の拡大や町道認定の問題など、関係機関との協議や町民の皆様からの意見聴取などを重ねながら一つひとつ課題を解決していき、高齢者などの交通弱者や駅利用者の安全・安心を考えた駅前づくりを進めていく。

 ―町立中学校給食の再開については。

 昨年3月に自校方式の給食施設を整備することを決定し、23年度の再開に向けて動いている。関連の補正予算を12月議会で提案したが、残念ながら承認いただくことができなかった。一度立ち止まり、議会の否決理由などをしっかり精査しながら、一日も早い給食再開に注力していきたい。

 ―2020年に取り組む重点施策は。

 防災・減災対策に力を入れる。町民に早く正確な情報を伝えることで、災害への心構えや災害時に早い行動をとることができると考え、スマホアプリを活用した県内初の「防災行政無線補完システム」の年度内の導入をめざしている。また「心の安全・安心対策」として、ひきこもりや認知症の対策に、地域でサポートできる仕組みづくりの研究を進める。増加傾向にあるイノシシなどの鳥獣害対策を継続して行い、また空き家対策についても、一歩踏み込んだ方策を検討し進めていくので期待してもらいたい。

 ―今年の抱負を。

 20年度は第四次総合計画の最終年度。継続してきた取り組みを一貫性をもって進めるとともに、これまでの成果を第五次総合計画へとつなげなくてはならない。今年のテーマ「勇往邁進」を胸に、解決すべき問題に対し、勇気と信念をもって職員とともに取り組んでいきたい。

二宮町着実に役場庁舎整備学校再配置へ追加案

 ―昨年を振り返って。

 大きな台風が続き、改めて防災に対する備えが必要だと再確認した。役場庁舎は町民の安全・安心を守り、復旧・復興の拠点となる役割がある。このままにはしておけない。庁舎建設意見交換会では幅広い年代の意見を伺った。少子高齢化が進む中で使いやすい機能を入れた新庁舎を提案したい。

 小中一貫教育校についても様々な意見をいただき、貴重な一年だった。全小中学校の普通教室にエアコンを設置し、中里に子育てサロンを移転整備した。転入超過も続いている。ハードとソフトの両面で、誰もが暮らしやすいまちづくりに引き続き取り組む。

 ―新庁舎整備の方向性は。

 国の役場機能緊急保全事業の対象となるには、2020年度中に実施設計に着手することが条件。約3億6千万円の交付税措置が受けられる。町の財政規模からみれば、この制度を活用していきたいと思う。町民や専門家の意見をふまえてアイデアを取り込む時間が要る。一歩戻りながらでも、着実に次のステップへと進めたい。

 ―小中一貫教育校で地域の拠点がなくなるのではと心配する声がある。

 昨年の意見交換会では一貫校を2校とする将来的な配置モデルを示したが、2校に固執しない。地域と学校の関わりは重要だ。コミュニティ・スクールも全5校で始まった。公共施設の再編があるから学校を減らすのではない。町の教育のあり方を検討する中で進めていくもの。新しい計画案を示し、2月に再び意見交換会を開催する予定。

 ―公共施設の老朽化や観光協会の事務所は。

 耐震性が不十分・不明確な集会施設については、地域の合意が得られたところから建物を診断し、改修工事に入りたいと考えている。開館20年を迎えるラディアンも大規模改修が必要。観光協会事務所を二宮駅の下に整備することを、議会にご理解いただけなかった。今年の菜の花ウォッチングの期間には、町民会館跡地駐車場に仮設の観光案内所を設けるが、その後も恒常的に使うことはできないと考える。

 ―新しい事業は。

 小中学校にパソコンやタブレットの導入を進めて学習に活用していき、情報社会への適応力を養う。一方で、災害時の避難情報は、高齢者の方など情報入手が困難な方もいるため、そのような方々への対策も忘れてはいけない。

 ―新年の抱負を。

 今年も町民の元へ出向き、意見をしっかり受け止めていきたい。町の課題に対して止めるわけにいかない。皆さんと一緒に行動する。ぜひ力を貸していただきたい。

中井町防災・子育てに注力中学校給食無償化へ

 ―昨年の印象は。

 自然災害の年だったという印象が一番大きい。台風19号では中村川の東側に避難指示を午後3時に発令した。その後、予想降水量を超える雨は降らずにすんだ。暗くなる前に安全に避難できるよう早めの指示を出すことを基本としたい。町内では83人が避難。倒木や停電などが起きたが、幸い人的被害はなかった。避難所に毛布や飲料水、非常食を備蓄しているが、避難時には、必要最低限の食料品や生活用品など各自が用意したうえで避難をお願いしたい。そのために日頃から非常持出品の準備をしてほしい。

 2017年度から防災行政無線のデジタル化を進めてきた。近年の異常気象や大地震に備え、20年度は希望する世帯へ戸別受信機を無償で貸与する計画だ。県が指定する危険区域の公表に合わせ、土砂災害・洪水ハザードマップを更新する。マップは全戸配布して終わればいいと思わない。町民へ周知徹底を図ることが必要。防災・減災に対する意識を高めていかなければならない。

 ―子育て支援策は。

 学校給食費の補助拡充へ、新年度予算案に費用を組み入れる。小学生の月額補助金300円を700円に上げ、中学生については月額400円の補助から無償にする考え。給食費無償化は公約のひとつ。小中両方を一度に切り替えるのは難しいので、先に卒業する中学生から無償化したい。

 20年度は小学校でプログラミング教育が始まり、英語教育も変わる。外国人と接しても物おじせずにコミュニケーションを取れるよう、これからの社会で通用する英語力を伸ばすための指導を実践していく。

 ―今年の抱負など。

 町の施設を今後40年間でどのように維持していくのかをまとめた公共施設長寿命化計画を策定する。それに向けてパブリックコメントを1月に実施する。老朽化が著しい厳島湿生公園の木道を20・21年度で整備する予定。デマンドバスは、秦野の日赤病院までの運行を再び始める。

 中井中央公園に交流拠点として整備した「なかい里都(さと)まちカフェ」の集客にも力を注ぐ。商工振興会が運営し、ワークショップやイベントを開いている。年間を通じて特に、子育て世代の女性に来てもらえるような仕掛けづくりを期待する。

 高齢化率33・9%で、3人に1人以上が65歳以上になった。明るく元気に生活できる、健康寿命を伸ばす施策の充実を図る。自然と都市機能が調和し、思いやりとおもてなしの心を持つ中井町=「里都(さと)まち♡なかい」の魅力をさらに磨いていく。
 

村田邦子二宮町長
村田邦子二宮町長
杉山祐一中井町長
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