星槎国際高校湘南(大磯町国府本郷)の1年生3クラス約70人が、2月19日に大磯町内にある古墳や貝塚などを巡って地域の歴史について学んだ。大磯で歴史の語り部の活動を続ける武井久江さん(70)がガイド役を務めた。
校外学習は、武井さんが昨年10月から講師を務めている大磯町の歴史の授業の一環。これまで学校周辺の地理や古墳、大磯に関わりのある歴史上の人物、地域の祭りなどについて講義してきた。3月に最後の授業を迎える前に、実物を見ることでさらに学びを深めてもらおうと校外学習が企画された。
生徒たちはこの日、マイクロバスで釜口古墳やたれこ谷戸西横穴群、郷土資料館などを見学。虫窪では敷地内に貝塚がある土方澄江さん(77)から周辺の地形について話を聞き、「この地層は50万年前のもの。かつて海だった場所が隆起した」という説明に驚きつつも熱心にメモを取っていた。野球部の山崎泰人さんは「史跡を実際に目にすることで、大昔の人々の生活について想像する機会になった。今日の経験を周囲に話すことで、自分たちの世代からも大磯の歴史を伝えていきたい」と感想を話した。
経験を将来に
全国にキャンパスを持つ星槎グループの中でも、スポーツ専攻のアスリート生で構成されている同校。それだけに学生たちがそれぞれの専攻だけに打ち込むことなく、幅広い知識や経験を得られる機会を提供することは学校側の課題の一つでもあった。「せっかく歴史ある大磯で学んでいるのだから」。三浦丈教諭は1学年の後期カリキュラムを立てる際、生徒たちに学校の周辺について理解を深めてもらいたいと、以前も外部講師として単発の授業を持ったことのある武井さんに相談を持ち掛けたことがきっかけとなった。
大磯の歴史を学ぶ3クラス合同の授業が設けられ、武井さんが月1回の講師を担当することに。「初めこそ不真面目な態度の生徒を叱るような場面もあったが、みんな根はまじめで良い子なので、親しくなるにつれて興味を持って真剣に話をきいてくれるようになった。三浦先生の情熱が生徒たちにも伝わっているのだと思う。学校で専攻しているもの以外にも目を向ける機会となり、彼らの将来に役立てば」と武井さん。三浦教諭は「質問される1に答えるために100を準備するという武井さんの姿勢に、教師として感銘を受けている。歴史から学ぶことは多く、その大切さに気付いて行動できる生徒が出てきてくれたら嬉しい」と期待する。
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