大磯町で毎年5月に開催されている相模国府祭の中止が、4月7日に決まった。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、多くの人が見物に訪れる神事を行うことは難しいと判断した。同日に国が発令した緊急事態宣言を受けて、各町でイベント中止などの対応が図られている。
相模国府祭は、奈良・平安の頃に相模国(神奈川県)の行政長にあたる国司が、天下泰平と五穀豊穣を神に祈ったのが始まりといわれている。県内の6つの大社(寒川神社、川勾神社、比々多神社、前鳥神社、平塚八幡宮、総社の六所神社)が参集し、国府地区の神揃山や逢親場(馬場公園)などで神事を催行。相武と磯長の国が合併して相模国が成立した際の論争を儀式化した「座問答」や、天下泰平を祈願する「鷺の舞」などの古式ゆかしい神事を今に伝える祭典として県の無形民俗文化財にも指定されており、毎年大勢の見物人で賑わいを見せていた。
新型コロナウイルスの動向を注視しながら、6社の宮司や総代ら関係者からなる類社会で開催に向けた協議を重ねてきたが、最終判断日としていた7日の会議で苦渋の決断を下した。六所神社の柳田直継宮司は「千年続く伝統を中止するのは誠に残念だが、今は皆様の健康が大事。来年は盛大に開催できるよう願っている」と思いを語った。
3町の宣言対応
国の緊急事態宣言を受け、大磯・二宮・中井の3町でも対策本部が設置され、公共施設の休業延長やイベントの中止などの対応がとられた。
町立幼稚園と小中学校は、3町ともに連休明けの5月6日まで休業期間を延長する。期間中、大磯町では町立中学校で短時間の分散登校日を2回、中井町では小中学校で2回、二宮町では小中学校で週1回程度設ける予定。町の公共施設については、中井町は5月6日まで、大磯町と二宮町では5月31日まで閉鎖する。
また町の関わる多くのイベントが中止になった。大磯町では3回目の参加を予定していた5月27日の「チャレンジデー」、中井町では6月7日の「なかい健康スポレク祭」などの実施を取りやめた。二宮町の「地域の通いの場」は全地区で5月末まで中止する。(4月14日起稿)
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