県による最高表彰の一つである「県民功労者表彰」の2020年度受賞者が6月11日に発表され、保健衛生の分野で大磯町在住の花田亮(まこと)さん(72)が選ばれた。花田さんは県食品衛生協会の副会長などを歴任し、組織の充実強化や食品衛生思想の普及啓発に優れた成果をあげた点などが高く評価された。
信条を貫く
同表彰は団体や地域の活動を通じて社会福祉、保健衛生、産業・経済、教育・文化、生活環境の各分野で長年にわたり活躍し、優れた業績をあげた人を称えるもの。73回目となる今年度は、県内で38人が受賞した。
飲食店や旅館、食品製造業などが加盟し、食品衛生思想の普及啓発や食に関わる事故の防止、会員の親睦を図ることなどを目的に活動する同協会。「食は生活の基盤。安全・安心の確保が何より大切」と語る花田さんは食品販売業の傍ら30年にわたり協会の活動に携わり、2012年から小田原食品衛生協会の会長も務める。表彰に対し「課せられた役割を果たそうと、自分なりに一生懸命に取り組んできただけ。これまで支えてくれた皆さんのおかげです」と周囲への感謝を述べた。置かれた環境の中で目標を定め、ひたむきに地道に歩んでいく「身の丈で生きる」を信条にしている。
次世代へ繋ぐ
新型コロナウイルス感染症の流行は、会員事業所にも大きな影響を与えた。協会では、不慣れな中でテイクアウトや宅配などのサービスを始める会員事業所に、食中毒を防ぐための注意事項をまとめて文書やホームページで衛生管理の徹底を促した。今年度は、毎年8月に行っていた食中毒予防啓発の街頭キャンペーンも実施が難しい状況だが「夏場の注意喚起は必要。会員で知恵を絞り、代わる活動を考えたい」と次の一手を模索する。またSNSなどを活用した会員への迅速な情報提供の体制づくりや、加入条件を緩和した新たな会員制度なども検討し、コロナ終息後の次世代へ引き継ぐための土台作りにも取り組む。
小田原食協は創立70周年、会長を務める小田原ヤクルト販売株式会社も創業65周年と節目続きの年。「私も社会に出て50年。半生を振り返り、今の自分を作ってくれた両親と妻、多くの先輩方への感謝をあらためて感じている。人生まだまだこれからと思って、健康に注意しながら、世の中のために自分が役立てることをやり通していきたい」と誓った。
「今まで大病をしたことがない」という健康の秘訣を尋ねると「毎朝のストレッチと筋トレ、そしてヤクルト」といたずらっぽく微笑んだ。
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