二宮町の町民団体「戦時下の二宮を記録する会」が、会報誌『ひとしずく第七号』208冊を町立小学校3校の全6年生へ寄贈した。10月13日に町教育委員会を訪れ、森英夫教育長へ届けた。
「小学生が見た戦中・戦後のくらし」の副題がついた会報誌は、戦争当時に二宮国民学校(現在の二宮小学校)の生徒だった同会会員や、二宮に駐留していた元兵士などの戦争体験と記憶をまとめた冊子。高学年の子どもが勤労奉仕に出向いて農家の手伝いをしたこと、戦闘機の機銃掃射から逃れた体験、集団疎開や金属供出、戦後の教科書の墨塗りなどについて分かり易く伝えている。
同会は二宮小学校から依頼を受け、2017年から3年続けて6年生の平和教育の授業で戦時体験を語った。しかし、会員たちが80歳をすでに超え、戦争を語り継ぐ活動を続けていくことは難しくなると考え、同校で話したことを会報誌に収録した。授業では語られなかった、満州国からの引き揚げの話も掲載した。
2005年に活動を始めた同会は、戦争体験者への聞き取りや町内に残る洞窟陣地など戦争遺跡の調査を実施。手記や調査報告を会報誌にまとめ、発行を重ねた。当初の目的を達成したことから7年前に活動に区切りをつけたが、会員有志がその後も戦争に関する資料の収集や会報誌の編集・発行を続けていた。
森教育長は「教諭や児童の保護者、祖父母も戦争を知らない世代。戦争があったころの二宮について学ぶ教材として活用したい」と話した。
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