大磯・二宮・中井版 掲載号:2021年4月30日号 エリアトップへ

寺本流の仕事綴る ヒット曲の秘話など本に

文化

掲載号:2021年4月30日号

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著書を手にする寺本幸司さん
著書を手にする寺本幸司さん

 大磯町在住の音楽プロデューサー・寺本幸司さん=人物風土記で紹介=の著作『音楽プロデューサーとは何か』(毎日新聞出版・税込1430円)が、4月30日に出る。浅川マキさんや桑名正博さん、りりィさん、南正人さんを世に送り出した寺本さんが、彼らとの仕事やエピソード、ヒット曲誕生の背景などを綴った本。小説やエッセイなどの執筆はあるが、「生涯に1冊のつもりで書き下ろしたもの。自叙伝や回想録ではなく、ドキュメントとして読んでもらえたらありがたい」と話す。

 寺本さんは27歳のとき、当時日本にはなかったインディーズのアビオン・レコードを設立した。音楽プロデューサーの草分けだ。「文学や絵画を嗜み、音楽はモダンジャズが好きで聴いていた。表現者の立場での音楽は自分に最も遠い芸術だと思っていたのに、それが仕事になるとは」

 「一番目のファンは俺だぜ」と、自分にない才能を持つアーティストたちを憧れの視線で下から見上げるスタイルで仕事をしてきた。桑名さんが歌った「セクシャルバイオレットNo.1」は、オリコンチャートで1位を記録した。ゴールデンコンビの松本隆さん作詞と筒美京平さん作曲による、カネボウ化粧品のキャンペーンCMソング。「これはいけるぞ」と確信していた。

 「稀代のヒットメーカー」と称される筒美さんとは、彼が本名で活動していたころに知り合った。ジャズクラブに筒美さんのピアノ演奏を聴きに行ったら、「4ビートのジャズが、途中でリズムやメロディーが変わったり、ポップスが混ざったり。すごく胸に響いた」。輸入盤のレコードを大量に取り寄せ、常に最新の楽曲を研究していた姿が記憶に残っているという。

 「音楽プロデューサーの仕事とは、アーティストの世界観を膨らませて色を付け、世に問うこと。彼らの歌は死なない」と寺本さんは話す。

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