中井町は5月27日から、町立小中学校3校の女子トイレに生理用品を設置している。これまでも保健室に備えていたが、児童・生徒が生理用品について心配なく学校生活を送れるよう配慮した。町政に対する意見を届ける「わたしの提案」がきっかけになった。
井ノ口小学校では、校内にある女子トイレのうち、教室に近い3カ所に設置。洗面台横に「これはみんなの生理用品です。必要としている人が必要な分だけ大切に使ってね」などと書いた箱を置き、その中に入れてある。異性を理解する観点から、生理用品を置いたことを全校児童にきちんと伝えたいと、学級担任や養護教諭が子どもたちに説明したという。
「過去には女子児童だけで保健の授業を受けたことがあったが、今は男女一緒に学ぶ。発達段階に合わせてそれぞれの特性を理解し、お互いに人を思いやる心を育む取り組みを進めていきたい」と加藤彰吾校長は話す。
県内では4月下旬、大和市が初めて市立小中学校28校の女子トイレに置き始めた。また、県は平塚農商高校など県立学校12校で生理用品を設置するモデル事業を今月1日に開始した。8月末までの3カ月間実施する。
「声なき声」聴く
経済的な理由で生理用品の入手が困難な状況にある「生理の貧困」が、コロナ禍の社会問題として顕在化した。児童・生徒の中にはネグレクト(育児放棄)で親に生理用品を用意してもらえない、父子家庭で生理のことを言い出せないなどの事情を抱えた子がいることも指摘されている。「生理用品は必需品。身ひとつで避難しなければならないこともある。『困っています』と声をあげられない人を含めて包括的に女性を支援していく必要がある」。二宮町議会6月定例会で生理用品に対する町の取り組みについて取り上げた二宮節子議員はそう話す。
生活に困っている人を対象に、中井町は生理用品の無償提供も6月から始めた。防災備蓄品を活用し、町保健福祉センター内の福祉課窓口と井ノ口公民館事務室で配布。窓口にある案内カードを職員に提出するだけで受け取れる。1人につき1個(ナプキン28枚入り)1回限りで、なくなり次第終了。二宮町社会福祉協議会でも、生活相談に訪れた人などへ生理用品を提供している。
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